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第42話 じいちゃんが帰ってこない

「ねえ、ばあちゃん。じいちゃんはどこ?」

「レオかい?どうかしたのかい?じいちゃんなら留守だよ?」

「ばあちゃん、ひどく疲れた顔だよ?どうしたの?なんかあったんでしょ?」

「何でそう思うんだい?」

「じいちゃん、留守って……どこ行ったの?

 皆んなに持たせてる通信の魔道具、今、少し改良しててさ……

 正常に稼働するかどうか、テストしてたんだけど、

 じいちゃんの、魔道具だけ、反応がないんだ」

「……なるほど……それでかい。……実は……サウザーのじいさんは、

 2週間前に、出かけたっきり、帰ってきていないんだよ」

「2週間も?どこに出かけたの?」

「…………さあ?私には何も言ってなかったね」

「…………ばあちゃん。前にじいちゃん言っていたセラベア王国って、

 地図に載ってないけど、どこにあるか知ってる?」

「何で今、セラベア王国が出てくるんだい?」

「じいちゃん、そこに行ったんじゃない?ばあちゃん分かってるよね?

 顔に出ていたよ?」


 世界地図を出して、一点を指差すレオナルド。

「ここ、何もない海だけど、もしかして、ここにセラベア王国があるんじゃない?

 索敵魔法を全開にしたら、微かだけど、じいちゃんの反応があったよ?」

「……あんた、まさか行く気じゃないだろうね?」

「もちろん行くつもりだよ?」

「じいちゃんが言ってただろ?あそこだけには、関わるなってさ」

「で、じいちゃんは何しにそこへ?」

「私の話を聞いているかい?

 ……仕方ないね……

 あの国はね、今まで鎖国をしていて、他国を寄せ付けない代わりに、

 他国へも、干渉してこなかった。

 なのに、今回は、ひどい飢饉(ききん)だと言って、

 食糧や物資を、各国に要求してきたんだよ」

「それでじいちゃんが?なんでじいちゃんが、その交渉に?出身だから?」

「じいちゃんが、セラベア王家の一員だからだよ。

 あんな危ない国との交渉……人に任せられないってね?

 セラベア王国の指名もあって……」

「何で知らせてくれなかったの?俺も一緒に行ったのに」

「多分だけど……レオがそう言うと思ったからじゃないかね?」



 上空からセラベアの、玄関口……

 見た目は砦の入り口の様な形の建物を、見下ろしているレオナルド。

 10名の屈強そうな兵士が、そこを守っていた。

「ここからしか、入国出来ないんだな?

 国一周、強固な結界で囲まれてるなんて……

 昔、魔族と通じ合ってたって言うから、これは魔族の科学力なんだろうな?

 結界をぶち壊して入るわけにもいかないし……

 行ってみるしかないな……どう出てくるかは分からないけど……」



「何奴?入国の許可が有るなら、証を見せろ」

「証は無いけど……俺は剣神サウザーの孫。

 消息が途絶えた祖父を探しに来た。入国の許可を願う」

「あのじいさんの孫?嘘か誠か分からんが、

 証のない者は、いかなる者も、通す訳にいかん!」

「〝()()じいさん〟?やっぱ、じいちゃんは、ここに来ていたんだな?」

「さあな?お前に答える義務はない。とっとと立ち去るが良い……」

 その言葉には、耳をかさず、すたすたと、前に進むレオナルド。

「待て!おい!待てと言って……」

 剣を振り上げ叫ぶ兵士は、最後まで話をする前に、血飛沫(ちしぶき)をあげて倒れた。

 残る兵士から一斉に斬りつけられるレオナルド。

 しかし、ものの数秒で、兵士全員が血飛沫をあげて倒れた。

「たいして強くねえじゃん?……修羅の国?……ここが?」


「へ〜結構良い街並みじゃないか?少し騒がしいけど……」

 街は兵士が飛び交っていて、騒然としていた。

 兵がやられた……しかし、滅多に人が来ない国の玄関口……

 兵は全滅……そこには他に人は居ない……つまり目撃者が居ない……

 襲ってきただろう敵の特徴どころか、人数すら分からない。

 一人で街に居るレオナルドは、若く、それほど強そうにも見えず……

 容疑者の対象外の様だ。


「ん〜〜ん……良い匂い……腹減ってきたな……

 おじさん、串焼き20本!適当に見繕って」

「あいよ!銅貨10枚だよ」

「あとなんか果物の飲み物を……」

「じゃあこの林檎のジュースでいいかい?合わせて銅貨13枚だ」

「はいこれ。おじさん、そこのテーブル使って良いのか?」

「ああ勿論。その為の椅子とテーブルだよ」

(ばあちゃんから、この国のお金貰っておいてよかった……

 そういうとこ、よく気がつくんだよな……ばあちゃんは……)

「おお〜焼きたて〜めちゃ美味いな〜」



「お母さん……お腹すいたよ〜」

 すぐ後ろで、泣きべそをかいている5歳位の子供が居た。

「ん?どうした僕?この串焼き、食べるか?」

 〝コクコクコク……〟忙しく首を縦に振る男の子。

「んじゃ、お母さんと一緒に、そこ座んな。

 おじさん追加で、この人達に、串焼き20本!

 ……で、足りるかな?あとジュースも2杯ね」

「あ……ありがとうございます。私も……頂いてよろしいんですか?」

「どうぞ食べて?でもどうしたの?お財布落としちゃったとか?」

「………………あの……そもそも……お金が底をつき……

 ここでは、珍しい事じゃないでしょ?……」

「ああ、ごめん……ここだけの話……俺、この国の人間じゃないんだ。

 ここの事情は、よく分からない……」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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