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第41話 どんな計算だよ?

「どげ〜!」

 〝ドッガァン〜!〟

 片手で吹き飛ばされ、壁にめり込んでしまうレオナルド。

「ツゥ……なんて力だ……」

 モルダーの筋肉は、肥大し、腕も丸太のように太くなっている。

 背丈も、3mを越している様だ。

「ブワ〜ッハハハ……どうだ?この力?(おろろ)いたか?」

「おろろ?ああ、驚いたよ。俺が王都に出てきた頃……

 12歳の俺に、匹敵する力じゃないか?凄い凄い……」

「じゅ……12(ざい)〜? ば、馬鹿にずるな〜‼︎」

 涎を垂らしながら、丸太のような腕を、二階の高さから振り下ろすモルダー。

 軽々と2本の指で、それを止めるレオナルド……

 いや違う……その指はモルダーの手を、突き破って止めていた。

(いで)〜!」

「なんだ……痛みは感じるんだ?俺の母さんも、痛く苦しかっただろうな……」

 感情が消えたかの様に、無表情のレオナルド。

 その顔は、母親が殺されたと知り、

 怒りが頂点に達した時のレオナルドの顔だ。


(おぼ)い出したぞ?お(ばえ)母親(ははぼや)……

 カンスタークの(うど)まれ(ひべ)か?

 聖魔力(ばりょぐ)が多いと()いて、目をつけて寄生(ぎぜい)させたんだが、

 あの(ごろ)は未だ上手(うば)くいかなくて、失敗(じっばい)だったな……

 お前の母親(ははぼや)は、(だん)の役にも()たなかっだ」

「それは良かった……」

「はぁ〜?役立(やぐだ)たずだっていってるんだど?」

「お前達なんぞの役に立たなくて……母さんもほっとしてるだろうよ」



「レオ!ここだったか!なんだこのバケモンは?他の奴らは?」

「そこで酔っ払った様になってる奴の他は、裏でのびてる。

 このバケモンは、なんか薬?で、こうなった。

 少し待っててくれ。すぐ終わらす」


「ぐぞ〜(じがら)だけじゃないぞ!」

 〝ドカッ!〟

「っ〜!おい、なかなか早いじゃないか?」

 いつのまにかレオナルドの後ろに周り、腕を横殴りに振るモルダー。

 レオナルドは、又もや壁に吹き飛ばされ、めり込んでいた。

 〝ドカッ!〟

「オラオラオラ〜どご見てる〜」

 なんとか這い出すと、またしても後ろに回られ、蹴り飛ばされる。

「ハ〜ハハハ。案外ちょ(じょ)ろいな」

 そして又、モルダーは目に前から消えた。


 何も無いところに、後ろ回し蹴りをするレオナルド。

 〝グエッ!……〟

「バカなの?毎度毎度、真後ろに飛んで……」

 後ろから攻撃してくる事を、予測したレオナルドが、

 後ろ回し蹴りでモルダーを吹き飛ばした。

 〝ドスン!ドスッ!ドスッ!ドスッ!〟

 腰が落ちたモルダーの顔を、めった打ちにするレオナルド。

 容赦ないレオナルドの殴打はモルダーの顔を、見る見る腫れ上がらせた。

 間髪入れずに、頭上を一回転しながら後ろに周り、またしても後ろ回し蹴り。

 モルダーの顔は、半分砕けて歪んでしまう。


 〝ドッス〜ン‼︎〟ついに怪物は沈んだ。

「テイラー。リンドヴァルムを潰すよ?……」



「じゃあ、義姉(ねえ)さんは、病気で亡くなったんじゃなかったのか?」

「そう……あの薬を作る為に、キモい虫?を、寄生させられていたみたい」

「なんて鬼畜な……」

「で、叔父さん達、相談なんだけど……俺に兵を預けてくれない?」

「リンドヴァルムに戦争を仕掛けるか?」

「……まあそんなとこ……」

「あそこの兵が、特別強いと言うわけじゃない事は理解したが、

 そう簡単ではないぞ?

 あの国の軍隊は、50万人は居る筈だ。こちらが攻め込まれる時は、

 奴らは自国を守る兵も必要だから、

 出兵させられるのは、せいぜい2〜30万……その数を相手にすれば良いのだが……

 責めるとなると、その50人万全てを相手にしなければならん」

「うんそうだろうね? で、何人位用意出来るかな?」

「オースティンからは……そうだな20万……いや、30万は出せるか?」

「ダグラスは、せいぜい10万だな。レオのところを除いてだが」

「そんじゃあ、大体170万か?」

「お前、大丈夫か?どんな計算だよ?」

「ああ、ゴメン。説明不足だね?

 きたるオースティン連合国の立国に、こちらから同盟の話を持ち込んだ国が10ヶ国。

 別に〝わが国も是非〟と言ってきた国が6ヶ国。うちを入れて総勢17ヶ国」

「同盟17ヶ国?その数の国の利権を、纏めるの簡単では無いだろ?」

「互いに、侵攻しない事。

 万が一、紛争が起きた時は、公平な判断の下、2国は、それに従う事。

 端的に言うと、そんなところ……案外簡単だったよ?」

「公平に判断って、互いに主張し合ったら、誰が判断する?

 感情的になっていると、お互い納得できるとは思えんが」

「判断は、中立国で決めるよ?そして最後には世界樹に委ねる」

「なんだって?世界樹?」

「そう。それならみんな嘘つけないし、納得せざるを得ない。

 紛争すら起こしにくくなると思うんだけどね」

「それはそうかもしれんが、世界樹にって……なんだそれ?」

「前に言ったじゃん。世界樹が、俺を手伝ってくれるって」

「世界樹の精霊か……それが出来るのならば、皆んなも納得か?」


「で、同盟国の16カ国……リンドヴァルムには、煮湯を飲まされてきた国ばかり。

 同盟軍約120万。合わせて170万」

「違うだろ160万。やっぱり未だ計算おかしいだろ?」

「大丈夫か?レオ……心細いな……」

「いや合ってるよ?うちが10万出すからね」

「お前のとこ、そんなに兵はおらんだろ?」

「本当の兵は2万、残りの8万は偽の兵」

「偽の兵?」

「カッコだけ兵」

「大丈夫かそんなので?」

「そもそも戦う気ないもん。俺が先ず単独で乗り込み、

 魔法で城壁を、ボッロボロに……

 そして、この人数で、一気に王都を囲む……

 このひと月で、巨大トンネル4本……こっそり魔法で開けてあるんだ。

 目の前で見せつけられる俺の魔法に、

 この戦力差……それでも未だリンドヴァルムの兵がが、戦う気持ちを維持できると思う?」

「白旗あげるしかないだろな」



 かくして、無血でリンドヴァルムは滅んだ。

 レオナルド達は、どうやって、この国を建て直そうかと思案したが。

 民も又、クズ揃い。ここぞとばかりに、店を襲うもの、

 泥棒、強奪……国中大混乱。

 呆れたレオナルド達に、媚び諂う(こびへつらう)貴族が、更に追い討ちをかけた。

「ダメだ……この国……」

 立て直すことを諦め、王城の宝物庫から、

 賠償金と出兵に掛かった費用を頂き、さっさと帰ってしまうレオナルド。

「あとは勝手にやってくれ。

 但し今後一才、他国に手を出す事は許さない」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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