第38話 世界樹
「本当?まじか……これが既に実用化されてる?……」
「はい、レオナルドさんが、
3国を纏めると聞いて、役に立つんじゃないかと……
良かったら、使ってみませんか?今はまだ予備が少ないのですが、
レールを引くにも、相当な時間がかかりますし、
その間に、必要な分の車両をお作りしますが?」
「本当に?それはすごく助かるよ。これがあれば、
何処にでも、行きやすくなる。
できれば10両編成の車両を100程欲しいな……」
「100……ですか?かなりの数ですね。
帰ったら早急に、相談してみますね」
「頼むよ。先にお金が要るのであれば、用意するからね。
でもあれか……未だ共通のお金が、出来てないから、金でいいかな?」
「いえ、マナを安定供給して頂いていますので、無償で構いません」
「そうもいかないでしょ?
早いとこ、白金、金、銀、銅を使って、共通の通貨をつくんなきゃだね?
それと、カンスタークに、魔族に有害な不可視光線を遮断する、
巨大な透明ドームを、作ろうかと考えているんだ。
魔族の人達にも、そこに住んで貰えないかと思ってるんだけど……」
「本当ですか?それは凄く楽しみ……私そこに住みたいです。
それと、高速鉄道を使うのでしたら、一つお願いが……」
「なんでも言って?」
「この鉄道、魔族領までレールを引いて、
地上の都市と、地下都市を繋いでいただけないかと……」
「地下2000mでしょ?もちろん垂直は無理だから……
10%の勾配でも20km以上だね?」
「無理ですか?」
「かなり長いトンネルを、掘らなきゃなんないけど、
出来るんじゃないかな?多分問題ないよ?
前に魔族の人達が使っていた掘削重機だと、10年以上掛かるかもだけど、
魔法で土を転移させて、壁を熱で溶かして固めれば……
穴だけは10日も有れば出来るかな?」
「そんなに短期間で?」
「勾配によるけど可能だよ?ただ鉄道だけ出来ても、地上にドームやら、
街並みが出来ていないと意味ないから、地上の進捗に合わせて進めるよ」
「良かった。凄く楽しみですね」
「で?」
「〝で?〟?」
「〝地脈からのマナの供給は……〟って言いかけてなかった?」
「ああ、そうでした……今のところ問題ないのですが……
供給が安定し始めて気づいたのですが……
16年前に比べて、流れるマナの総量が減っているみたいなんです」
「1番供給量の多い所にトンネル引き直そうか?」
「いえ、そう言う意味じゃなくて、
単純にマナの総量が、減っている様なのです。
人もマナの恩恵に預かってますけど……
魔族は直接エネルギーとして使ってるから分かるのです」
「そうなの?何故減っちゃつたんだろ?」
「レオナルドさんは、マナが何処から来ているかご存知ですか?」
「ううん。何がマナを作ってるのかなって、不思議に思ってた」
「マナは世界樹が、生み出し供給してくれてるのです」
「世界樹?世界中〜〜何処にもないよね?」
〝バコン!〟
「イテッ!何すんだよティアナ……」
「真剣な話してるのに、おちゃらけないの!」
「どもすいません……
でも、世界樹って、御伽話のものなんじゃないの?
実在してるなんて、聞いた事ないな」
「私も見た事はないのですが、
私、人の秘めた魔力を見る事が出来るって以前言いましたけど、
アウスココの遥か沖合で、とてつもなく大きな魔力を感じた事があったのです。
薄らですが、見えた、その魔力の塊は、巨大な樹木の形をしていました。
そしてその場所は、マナに満ち溢れていました」
「アウスココの沖合には、大陸どころか島もないんじゃなかったっけ?」
「何もないんじゃなくて、正確には、未だ発見されてないのでしょう。
視界が何かに阻まれ見る事が出来ず、
風や、海流が、近づく事を阻止していて、そばには行けませんでした」
「……世界樹か……行ってみたいな」
「一緒に行きませんか?何か良くない事が起きている様な気がするのです」
「だったら、俺一人で行って確認してくるよ。正確な場所が分かるなら教えて」
「私も行きます。魔力を感じる事が出来る私が行った方が、発見しやすいと思います」
「あそこは赤道に近くて、陽の光が強いから、マリエルには辛くないか?
俺も、索敵できるから、探せるんじゃないかな」
「お婆様が、日避け……魔族に有害な不可視光線を遮断するクリームを作って下さったので大丈夫です」
「お婆様?マリエル、おばあちゃんが居るの?」
「い、いえその……レオナルドさんのお婆様……メリーアン大賢者様が、
〝おばあちゃん〟って呼びなって……」
「ばあちゃんが?そっか……ばあちゃんマリエルの事、よっぽど気に入ってるんだな?
女の子の孫も欲しかったって、ずっと言ってたもんな」
「私も……その……世界樹を見てみたいです」
「そっか。分かった……じゃ一緒に行くか?」
「はい!」
「結局お前達もついてくるのかよ?危険かもしれないんだぞ?」
「大丈夫よ。レオやテイラー達も居るんだし」
「ティアナ、テイラーの事、嫌いじゃなかったっけ?」
「前はね。なんか変なプライドが無くなったからか……
彼ずいぶん変わったし……今は嫌いじゃないわよ?」
「レオ、風と海流の影響で、真っ直ぐ進まなくなったらしいぞ。
聞いてた話の通りだな」
「ふっふっふ〜……対策済みだぜテイラー君。
この船尾の窪みは。何だと思う?
ここの俺が……こう、スッポリ入るだろ?
で、カメハメ……じゃなかった、風衝撃波で……」
〝オリャ〜〜!〟
「ウォ〜!すごい推進力!」
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