第36話 いや〜〜!無理無理無理〜〜
カンスタークに戻ったエドワーズから、
メリーアンへ、お会いしたいとの連絡が来た。
「また何か問題でも?」
「……実は、うちの倅が……世界中に、書簡を送ってしまい……」
「書簡?どんな内容の?」
「メリーアン姫を、カンスタークの、正式な女王として迎え入れたと……
王家の家系図まで添付し……
今後、いかなる国も、無断で国土に、足を踏み入れない様に……と……
かいつまんで言いますと、その様な内容です……」
「何でそんな勝手な事を……と言いたい所だけど、
気持ちは分からないでも無いよ。
どこの国も、カンスタークを狙っているからね。
でも、私にどうしろと?」
「姫様、何卒、女王に即位いただき、
カンスタークを、今一度立て直して頂く事は出来ませんか?」
「私はカンスタークを捨てた人間だよ?
それにあんた、私を幾つだと思っているんだい?
今更そんな大変な役割、務まるわけないじゃないか?
今はアイルドベルで、レオナルドの手伝いをするだけで精一杯だよ?
それに、国土は広いとは言え、国土全部が、クレーターの様になってしまって、極寒……
魔族と、和解した事で、地上から魔族がいなくなって、
住民が、徐々に戻ってきたとは言え、3万にも満たないんだろ?
いまさら国を名乗ってもねえ……
どこの国も、カンスタークを国として、受け入れやしないだろうに」
「姫様、実は70万人程、各国に散っていた、カンスタークの難民がおります」
「70万人?そんなに居るのかい?」
「はい、皆、メリーアン姫の下でならと……
カンスタークへ戻りたいと、そう言っている様で……」
「その人達は、難民になっているのかい?でも何故そんなに多くの民が居るのかね〜?」
「それが……災害前に、エリカ姫を聖女と慕う民が、
国から虐げられていた姫の後を追うように出国し、
偶然、難を逃れていたのです。
最も皆んなは、偶然だとは思っていませんが……」
「エリカの持つ女神の加護が、大勢の命を災害から救った……そう言うことかい?」
「皆んなは、そう思っております」
「でもなんで今更戻りたいと?エリカは、もう居ないんだよ?
しかも、住むには困難な場所になってしまっているんだよ?
皆んなその辺の事は、分かっているのかい?」
「彼らは皆、エリカ姫を、聖女と慕いつつ、
メリーアン姫……大賢者様を崇拝しているのです。
そして、正直に申し上げると……
レオナルド様に、期待しているのではないでしょうか?」
「レオにかい?一体何を期待してるんだい?」
「短期間にアイルドベルを、温暖な平地に戻し、理想の大都市を造られた事……
ましてや、レオナルド様が、エリカ姫の忘形見だと言う事が知れ渡り……」
「ああ、ロベルトのバカが、レオナルドを、オースティンの後継者の第一候補で、
ダグラスの姫の婚約者だと、発表しちまったからね……
世界中に周知させる事で、レオナルドに手出しできない様に……
そう牽制する、思惑だったとは思うけどね?」
「私どもも、カンスタークが無理なら、
レオナルド様のアイルドベルに、統合頂けないかと、思っているのですが……」
「それは無理じゃないかい?ダグラスの一つの領地に過ぎないアイルドベルが、
ダグラス全体より広くなるってのは、無理があるだろ?」
「……そう言う事なんだよ。
レオ、あんたもカンスターク王家の、正式な後続者なんだよ?」
「カンスタークと、オースティン、両方の後継者?俺が?一体俺にどうしろと?」
「レオよ、ダグラスも忘れないでくれよ?」
「スチュワート叔父さん、ダグラスにはレナードがいるじゃない?」
「レナードは、お前のサポート役に徹する事しか考えていないぞ?」
「なんでそうなるの?」
「それ程、レオを認めてるって事だよ。
アイルドベルでの手腕……お前の力量……その全てで……
つまり、レオに王位を譲り、支える事が、民にとって1番だと……そう言っている」
「なあレオ……私とスチュワート王で、前から話していたんだ……
我ら2国を統合して、お前を帝王にと……
そこにカンスタークも加えれば良いだけではないか?」
「いや〜〜!無理無理無理〜〜!」
「大丈夫。もう既に、その体制は、
他でも無いお前によって、整いつつあるではないか?
お前は、その大局を見つめているだけで良い。
それが、全国民の総意だと思ってくれ」
「いやだ〜〜〜〜!」
と、言いつつも、外堀は既に埋められていた。
「レオ、カンスタークの街の民は、
仮設住宅……もはや仮設というには立派すぎるが……
転居完了した。魔族にも通達したから、いつでも初めて良いぞ?」
「そんじゃ、やるか〜上空500m辺りに〜〜!〝テレポ〜ト‼︎〟」
〝ドガ〜ン!ドドドド…………‼︎〟
「フゥ〜……一回で済むのに……面倒くさっ……」
「ダメだよ?そんなことしたら、又皆んなを驚かすのもだけど……
大地震を誘発する可能性もあるんだからね?
地下の魔族の所にも影響があるよ?
面倒でも、4〜50回位に分けてやりな……」
仕方ないと言わんばかりに、
レオナルドがカンスタークの地形を、淡々と彗星落下前の姿に戻していく。
連合国発足の準備が、整いつつあった。
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