第35話 伝説の魔剣
「俺、父さんに会ったことあったんだ……」
「今度、オースティン村に行ってみると良い。レオの両親の墓がある……」
「母さんの墓も?」
「ああ、そうじゃよ?エリカが亡くなった後、わしらがオースティン村に遺骨を運び、
クリストの横に埋葬したんじゃ」
「遺骨を?」
「そうじゃよ。エリカの全身には何だか分からない変な模様があってな……
未知の伝染病も疑われたので、火葬にしたんじゃよ。
その時、レオも、隔離しろと、村の連中が騒いでおってな……」
「じいちゃん達は、変な病気が伝染ってるかもしれない俺を、
連れて帰ってくれたんだ……」
「隔離だのなんだの言っている所に、5歳のレオを、置いてはいけんじゃろ?」
「そっか……ありがとね」
「なんの……レオは伝染ってなどおらんかったしな。
そもそも病気かどうかも怪しい……呪いやら、なんやらだった可能性が高かったんじゃ……」
「レオ。この通りだ……」
深く頭を下げるロベルト。
「どうしたの?急に……」
「お前の両親を殺してしまったのは、この俺だ……本当に申し訳ない……
詫びのしようもない……」
「話を聞く限り、少し違うと思うよ?全く責任がないとは言わないけど、
ロベルト叔父さんも、若かったし、出来る事は少なかったんじゃない?
父さん達も、おじさんを恨んでいないと思うよ?」
「レオ……」
「ずっと自責の念に、さいなまされてたんでしょ?
1番悪い……って言うか責任のある人はもう亡くなってるんだし、
もう、自分を責める事はないよ。
父さんに甘えれれなかった分、おじさんに甘えるから、
覚悟しておいてね?」
「……レオ……うぐっ……いくらでも……うぐっうぐっ……甘えてくれ……」
「落ち着いた?ロベルト叔父さん……」
「ああ、それでだ……私には子供が出来なかった……
たぶん女神の加護を失ったからだろう……
だから尚更、ティアナを我が子の様に思えたのだが……」
「そう言えば、帝国には後継者が居ないって聞いたことがあるよ」
「ティアナの兄が生きていてくれたら、ティアナを養子に迎えたかったんだが……
レオ、今や、お前が、我が帝国の正式な皇太子なのだが……」
「謹んで……遠慮しておきます」
「ハハハ……そういうと思ったよ?でも、お前の運命は……
それを許さないだろう……いや、この帝国で収まる器ですらないか?」
「ところでレオ。お前の剣…… 美しい模様の入っていて、蒼く光る剣と言ったか?
ちょっと見せてくれるか?
先日レインボードラゴンを討伐してくれた時は、遠くて、よく見えなかったんだ」
「ん?良いよ、はいどうぞ。でも今は、魔力通してないから光ってないよ」
「これか…光っていなくても……何と美しい剣なのだ……
禍々しさなどまるで感じぬ……とても魔剣とは思えない……
やはりそれは、聖剣クラウ・ソラスではないのか?」
「台座の下にルーン文字で、
〝魔剣クラウ・ソラス〜使いし者に災い有り〟って書いてあったよ?」
「お前、ルーン文字が読めるのか?驚いたな。
帝国でもルーン文字が読めるものは2人か3人しかおらんと言うのに……」
「ルーン文字を普通に使ってた時代から生きているばあちゃんに……」
〝パコ〜ン!〟
「私を、化石みたいに言うんじゃないよ!」
「いっ〜……本気で殴んないでよね……」
「なあ、レオ。どこでその剣を?」
「伝説の魔宮……サウザン魔宮の、聖堂の台座に刺さってたんだよ?」
「サウザン魔宮?我が国の幻の迷宮じゃないか?」
「叔父さんは、サウザン魔宮知ってるの?そこの剣の事は?」
「まあ知ってると言うか……あくまでも伝説……としてな?ちょっと待ってろ……」
「レオ、これを見てみろ。ちょっと、やばい禁書だ」
「そんなやばい禁書、俺が見て良いの?」
「言ったろ?お前は帝国の皇太子だと。問題ある訳ない」
〜〜討伐に向かった勇者が、魔王に敗れてしまう。
だが魔王も聖剣の力により、致命傷を負った。
魔王は最後の力を振り絞り、奪った聖剣に邪悪な瘴気を注ぎ込み、
聖剣は、どす黒く禍々しい剣に変化する。
そして、岩盤に、誰にも抜けない呪いを掛けながらをの聖剣を刺した〜〜
「それが、お前のその剣ではないか?
勇者パーティの生き残りの賢者が、一部始終を見ていて、
この信書を書いたと言われている」
「こいつ、元は聖剣だったのか……でも、どす黒くない……」
「お前の魔力に呑まれて、瘴気が消え、聖剣に戻っているんじゃないか?」
「そうなのかお前?……あれ?こいつ自分は聖剣ではないって言ってる……」
「まさかレオ、剣と意思が通じあえるのか?」
「そうなんだよロベルト叔父さん。はっきりとじゃないけどね?
あ、思い出した……そうだ凄いんだ!」
「どうした?興奮して。何が凄いんだ?」
「おじさんにも渡してある、バングルの通信機あるでしょ?それちょっと見せて」
「これをどうするのだ?」
「この剣のグリップに、宝石の様な石が沢山あるでしょう?
これを通信機に……こうすると……」
「おお〜、通信機に移植されるのか?」
「それでね、その通信機が光ったら、その石に魔力を通してみて。少し離れるよ」
〝ピリリリリィ〜〜ピリリリリィ〜〜〟
〝チカチカチカチカ……〟
「この前改良したって言ってたが、音も鳴る様にしたのか。
で、なんだ?この石に魔力を通……ん?何も起こ……」
「おじさん。聞こえる?」
「ウワッ!何だ何だ?これはレオの声か?このバングルの魔道具からか?」
「そ、便利でしょ?今迄の大掛かりな通信魔道具と同等の性能だよ?」
「以前戦いの中で、頭の中で〝魔剣クラウ・ソラス。能力全開放〟って言葉が浮かんで、
魔力を込めて言ってみたら、魔剣の能力が格段に上がったんだけど、
その時この石が、グリップに浮かんできたんだ」
「最初数えたら、20個有ったのに、気付いたら1つ減っていて……
探しに探したら、何と手元にあったんだ。バングルの通信機に移ってたんだよね。
面白いって思ったのもだけど……グリップに石があると邪魔だから、
バングルの飾りにもなると思って、みんなの通信機に移しまくったんだよね。
そしたら偶然この機能に気付いたんだよ」
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