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第30話 ゲルドの目的

「攻め込んで来ているのは、貴方達、人族の方でしょ?ゲルドがそう言っていたわ」

「ああ、ゲルドってあのハゲの人?それ全部嘘。

 あいつの口車に乗せられて、万一戦争なんか始待ってしまったら、魔族は、全滅するよ?

 俺がこの地下全部を一瞬で破壊してしまうからね?」

「一瞬で?無理……そんな事出来ない」

「出来るよ?俺、月を一瞬で破壊した事あるからね」

「月を破壊?それ、地上にいた同族が、両親に話していたのを聞いた事あるわ。

 月が一度、粉々に破壊されて、また元に戻った……

 彗星が、衝突したとか何だとか言われているけど、

 あれは何者かの極大魔法だって、そう言ってたわ」

「そう、あれ俺の神級魔法だよ。

 だから、あんなやつの口車に乗せられちゃダメだよ?」


「ええい!黙れ狼藉者!」

 〝ビヒュ!〟

 〝バシッ!〟

 ゲルドの投げたナイフを指2本で受け止めるレオナルド。

「何いきなりナイフ投げてんだよ?マリエルに当たったらどうする?」


 それには答えず、更に別のナイフを投げようとするゲルド。

 しかしレオナルドが、一瞬で間を詰め、肘で一撃。

 〝ドコッ!〟

 〝ドッスーン!〟

 ゲルドは、あっけなく気を失い、うつ伏せに倒れた。


 〝ドドドド……〟

 魔族の兵士が、音を聞きつけ、なだれ込んで来た。

「何者だ!」

「皆んな、ちょっと待って。手を出したらダメ!

 人族のお兄さん、何があったか、さっきの話、詳しく教えて?」

「ああ、分かった。俺の名前は、レオナルド……」

 経緯を話して聞かせるレオナルド。



「人族が、3000年前、魔族を地下に追いやったように、

 今度は、ここに攻め込んでくる計画を立てているって……

 だから、仕方なく、地上に上がるのを許可したの」

「人が魔族を地下に追いやった?

 俺が読んだ歴史書では、魔族は元々陽の光に弱く、

 夜、活動する事が多い種族で、地下に潜るようになったって書いてあったよ?」

「人族は良く嘘をつくから、その本の事も信用できない」

「ハハハ、確かに。でも嘘をつくのは、魔族もじゃ無い?

 それに、その本の著者は、魔族だった筈だよ?確か……えっと……デレック……

 何だっけな?ああ、そう……デレック・アイルーアだ。

 他にもたくさん書いた本があって、魔族観点が面白くて、覚えてたんだ」

「アイルーア?私もアイルーアよ?マリエル・アイルーア。

 デレック?聞いた事あるかも?ちょっと待って、調べてみるから……」


「あった……デレック・アイルーア……私のご先祖様……2600年前の魔王よ?

 本当に、私のご先祖が書いた本が、貴方達人族の元に存在するの?」

「ああ、俺のばあちゃんの書庫は、国立図書館よりも歴史書が多いいんだ……

 人間の歴史に限らず、色んな種族の歴史書が沢山。

 君のご先祖さんの本、今度、見せてあげるよ」

「つまり……人族が魔族を追いやったんじゃなくて、自ら地下に潜ったって事?

 今回も、人族が攻め込もうとしてるんじゃなく、

 私達、魔族が地上に攻め込んでいる?」

「そ、だから辞めさせにきたんだよ。そもそも人が地下に攻め込む理由が無いと思わない?

 魔族だって、地上に出るメリットは無いと思うんだけど?

 昼間、地上にいる魔族を見たけど、日除の装備が大変そうだったよ?

 お互い適する環境が違うんだから、

 意味のない事で、攻め合いする必要は無いでしょ?」

「私も、殺し合うのは、好きじゃ無い。私の命令で人が死ぬのは嫌なの」

「今日来て驚いたけど、魔族の科学って人より進んでいるよね?

 あの、人工太陽の光は、魔族に害をなさないように出来てるんでしょ?」

「そう。あの太陽は安全」

「地上の物で、なにか必要な物があれば俺が供給するから、

 お互い貿易で協力し合わない?」

「そう言う事なら、協力するけど……」

「反対する者も多い?

 そもそも、ゲルドは、地上で何がしたかったんだろ?」

「……何も聞いてないわ……」

「ん?何だか外がチカチカしてるね?」

「十数年前、地上に彗星が落ちたんでしょ?

 その時に地脈の流れがおかしくなって、地脈から得るマナ量が不安定なの。

 人工太陽もマナからエネルギーを得ているから、ああなる時があって……」

「もしかしたら、ゲルドの目的はそれかもね?地脈に流れるマナ……

 だったら一緒に解決策を考えよ?」

「助けてくれるの?」

「もちろん。それが目的だったなら、別に攻めてこなくてもよかったのに……」


「お前達人族は、魔族を敵視してるんじゃないのか?」

「あっ、ゲルト、目を覚ました?……確かにゲルドの言う通りかもね?

 正直、魔族にいい印象を持ってる人間は少ないかも……

 でも俺は、別に敵視してないよ?さっきも言ってけど、

 俺、やろうと思えば、一瞬でここを壊滅させられるよ?

 でも、しなかったじゃない。

 だから、俺を信じて手を握ろうよ」

「私は信じるわ。私、秘めた魔力を見る事ができるの。

 レオナルドさんの魔力量は無尽蔵にも感じる……

 従えと、言われれば、従わざるを得ない……それ程絶望的な力の差を感じるわ」



「なあ?ゲルド。あの防衛能力を持たない街を、

 占領しようと考えたのは、分からなくも無いけど、

 軍事力が整いつつある、俺の領土まで、何故攻め込もうとしたんだ?」

「ん?違いますぞ?レオナルド殿の領地……

 アイルドベルへ、攻め込もうなどとは考えておりませんぞ」

「だってさ、トンネルを……」

「いえ、あのトンネルの先に、太い地脈があるのです」

「地脈?やっぱり、それが目的?だったら話が早い。

 一部潰したトンネルを元に戻し、その先の工事も手伝うよ。

 そこからマナを供給すれば良い」

「宜しいのですか?」

「ああ、一応陛下には相談するけど、地上に影響がなくて、

 それで平和が保てるなら反対しないと思うよ?」

「そう出来れば、非常に助かるのですが……

 彗星落下以前も、ここの真上に流れていて、使っていたマナですから、

 地上には影響ないかと……」

「今の人工太陽の様子だと、ここの作物の成長に影響あ理想だもんな……

 食料足りないんなら、うちから援助できるけど?」

「攻め込んで迷惑かけた我々を、何故そこまで助けてくれるのです」

「さあ?何でだろ……困ってる人を助けるのに理由が必要?」

「困ってる人と言いましても、我々は魔族ですよ?

 ああ……貴方は……そう言う方なのですね……

 氷のように非情な方かと思っておりました」

「家族友人を守るためには、迷わず非情になるよ?

 人を(あや)めることですらね?小さい頃からそうしてきた……

 非情って言えば、ゲルドこそ、いきなりナイフ投げたり、

 マリエルに当たったら危ないぞ?」

「いえ、私、ナイフ投げだけは得意でして……外した事はないのですけど……

 それにしても、貴方を知らずに戦争を始めたら、魔族が壊滅してたかもしれませんね……」

「あれは嘘……ここにも子供や女性が居るから、

 そんな一生悔やむ様な事、とても出来ないよ」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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