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第28話 カンスタークの難民

「え〜と……この辺で間違いない。だから……ここを……ちょっとみんな離れていて」

 〝ズッガァン〜〜!!〟

 レオナルドが、地面に向かって衝撃波を放った。

 物凄い衝撃で地面が陥没し、あたり一面、土煙で1m先も見えなくなる。

「これでトンネルの中のやつら、先に行く事も、後に戻る事も、出来なくなったよ。

 あとは、土魔法で横穴掘って……」


「あ〜〜、お前達〜〜!みんな、武器は捨てて……って、

 穴掘るだけだから、武器は持ってないのか……」


 テイラーによって確保された魔族達が、簡易に縛られ並ばされている。

「俺がこの地の領主、レオナルドだ。乱暴な事はしないから、質問に答えてくれ」

 落ち着かない素振りで、互いの顔を見る魔族達。

「アイルドベルへ続くこの穴は、何の為に掘っているんだ?目的は?」

「………………」

「答えないか……じゃお得意の魔法……〝コンフェッション……〟」

「レオ、何だ?〝コンフェッション〟って?」

「自白させると言うか……嘘がつけなくなる魔法だよ。

 さあ、お前達、もう一度聞く。この穴は、何の為に掘っているんだ?」

「そりゃ〜おめ〜俺ら下級魔族が〜そんな事、知ってる訳ね〜だ〜ろ〜

 め〜れ〜で、掘ってんだ〜な〜」

「酔っ払ってるみたいだな?」

「いつもこんな感じ……吹き出すのを、堪えるの、大変……」




「……て事なんだよ。じいちゃん。結局トンネル掘ってる目的は、分からずじまい……」

「それで、こやつらが捕らえた魔族なんじゃな?

 魔族を見るのは、久しぶりじゃな」

「若い頃には、散々魔族とやり合ったものさ。

 あの頃はどこかに魔族と通ずる場所があったのかもしれないね」

「ばあちゃん、若い頃って、どこに住んでいたの?」

「言ってなかったかね、カンスタークだよ」

「えっ?それじゃあ、ばあちゃんの故郷はもう滅んじゃってるの?」

「そう言う事だね」

「じいちゃんもなの?」

「いやわしは、カンスタークではないよ。言ってなかったかの?

 セラベアと言う所の出身じゃよ」

「セラベア?そんな国あったっけ?」

「誰も寄せ付けない鎖国の国じゃからな。地図にも載っておらんよ。

 リンドヴァルムの兵が、恐ろしく強く、軍事大国だと言われておるようじゃが、

 セラベアに比べたら、まだ可愛いもんじゃ。あそこはまさに修羅の国じゃからな」

「修羅の国?」

「何を目を輝かせておる?レオ。決して、あそことは関わってはならんよ。

 幼い頃から強さを求められ、無理矢理、競い合わせられる。

 5体満足で成人を迎えられる者は、10人に1人位なものじゃ。

 わしはそれが嫌で、国を出たんじゃ。




「レオく〜ん!大変だよ!」

「どうした?クリス」

「港に……船が500艘……カンスタークの難民が1万人近く流れ着いた!」

「カンスタークの難民?彗星落下の時の生存者って、そんなにいたの?

 それが何故、今頃アイルドベルへ?

 この前見てきたけど、カンスタークは彗星の落下の影響で、今でも、ひどい状態だよ。

 やっと草木が生えてきて、緑が増えてきたところのようだけど……

 とにかく港まで行ってみるよ」



「俺がこのアイルドベルの領主、レオナルドだ。

 貴方達、誰か代表者は居ないの?話が聞きたい」

「では、私が……私は、エドワーズと申します。

 突然この様な大人数で押しかけてしまい、申し訳ありません」

「エドワーズさん?貴方が代表者?」

「私が住んでいた街は炭鉱の街でした。

 夜空に彗星が迫り、とんでも無いことになりそうだと判断した我々は、

 持てるだけの食料を持ち、皆で炭鉱の穴深く避難したのです。

 おかげで何とか、難を逃れる事が、出来ました。

 災害の後、地上が熱で溶けて、暫くは地上に上がれず、

 その後も、冷えて固まってしまった地表を抜け出すのに苦労しましたが、

 何とか這い上がり、村の跡地に、新たな村を興し、いつしか次第に人が集まり、

 今は3万人を超える街になりました。

 私は、その街の(おさ)をしていたのです。

 しかし、一月(ひとつき)程前、魔族に街を襲われ、命からがら逃げてまいりました。

 何卒、我らをこの地に受け入れては頂けませんでしょうか?」

「魔族に?よく逃げてこられたね?」

「はい……何故か人が大勢死ぬ様な、破壊的な攻撃はしてきませんでしたので……

 でも、慌てて逃げましたので、散り散りバラバラ……

 残り、2万人は、無事なのかも……」

「それにしても大災害にも拘らず、カンスタークに生存者かいたんだね。

 各国の調査が入っていたのに、そういう報告は無かったはずだよ?」

「はい、先程申し上げた通り、奇跡的に難を逃れることが出来たのですが、

 そもそも、その時の生存者は、私を含め1000人も居なかったのです。

 その後、運良く他国に出て、難を逃れていた者たちが戻り、

 街は3万人を超えるまでになっていたのです。

 昔から魔族のよく出没する地でしたので、

 周りに林を作り、幻影の魔道具も使い、隠れるように暮らしておりました」

「大変だったんだね……でもどうしよう?1万人か……

 ねえ、ばあちゃん。この前見た街は……」

「そうさね……あれは、元々はこの人達の街だったんだろうね」

「あ……貴方様は?もしや……メリーアン大賢者様では?」

「そうだよ?俺のばあちゃんで、他人(ひと)からは〝メリーアン大賢者〟と呼ばれてるね」

「ひっ……」

「ひっ?」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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