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第12話 僕、陛下の事好きになったよ?

「それと一つレオに頼みがあるのだが」

「何でしょう?僕に出来る事なら……」

「スフィア、こちらへ……これは我が国の第一王女……

 と言う、かわしの娘はは1人なんだが……スフィアだ」

「初めましてレオナルド様。スフィアと申します。

 ティアナからいつも、貴方のことはお聞きしております。

 学園で一緒に学ぶ様になると思います。今後とも宜しくお願いします」

「初めまして。スフィア王女。こちらこそ宜しくお願いします。

 ティアナとは学園で?」

「はい、同じクラスです。物心つく前からずっと一緒で、

 仲良くさせて頂いております。

 ティアナを助けていただいた事、私からもお礼を言わせて下さい。

 大切な友人を失くす所でした。ありがとうございます」

「いえ、ティアナは、僕にとっても、大切な人なので礼には及びません。

 で?陛下。頼み事とは?」

率直(そっちょく)に言う。スフィアを、嫁に貰ってはくれないか?」

「はへっ?」

 変な声が出てしまうスフィア王女。

「いや……僕はその……ええ〜〜?」

「突然こんな事を言って済まぬが……」

「陛下も僕をこの国に取り込もうと?」

「そうではない……とは正直言い切れないが……

 其方を、そう言う政治事に使わぬ様、

 剣聖様と、大賢者様から、クリスティー公爵への手紙で釘を刺されておる様だ……」

「では何故?スフィア王女の気持ちも考えて差し上げないと……」

「いや、それだからだよ……スフィアは、レオにぞっこんみたいでな?」

「お父様!」

 耳たぶまで真っ赤に染めて、スフィアが抗議する。

「いや、だって本当の事だろ?」

「スフィア王女とは、今日初めてお会いしたのですよ?

 スフィア王女が……まさか、そんな事ある訳が……」

「レオの試験の時の勇姿を、教室から見ていたそうだ。

 ティアナ嬢からも、散々レオの事を聞かされ、

 わしが其方の事を調べさせた折は、

 何度も報告を聞きに来て、嬉しそうにしておった。

 今日もレオが来ると聞いて、朝からソワソワしてな?」

「ち……違います!ソワソワなんて……」

「そ……それにしても、早急過ぎでは?あ……あの……僕は……」

「ティアナ嬢の事であろ?あの子も承知していると聞くが……」

「えっ?ティアナが?……そ、そんな……」

「いや、勘違いするな。婚約の話を辞めにするのではなく、

 2人共々……そう言う事だ。わしにも側妃がおる。

 王族,貴族では珍しい事ではないぞ?

 それに、今後レオには沢山の縁談話が来るのは間違いない。

 だったらスフィアならと……ティアナ嬢も、そう考えたのではないかな?」

「でも……すみません。僕に2人同時は無理です。そんなに器用じゃないです。

 じいちゃんもばあちゃんだけだし、ローレンスおじさんもフローラおばさんだけ。

 僕もそれが良いです」

「そうか……無理にとは言わんが……それでも考えてみてくれ……」

「…………」

「レオよ……少し近こう……」

「はい?」

「あそこにおるのが、スフィアの母、マリアン王妃だ」

 耳元で囁くオリオール王。

「どうだ?美しいと思わんか?そして見てみろあの胸……

 大きさ、形、触り心地……どれをとっても、申し分ないぞ?

 スフィアも必ずああなるぞ?」

「は……はぁ〜……」

「レオは女性の胸が好きと聞く。あれが 欲しくはないか?」

「……ま……まあ……」

「覚えておいてくれ……」

「へ、陛下……そちも悪よのお……」

「お代官こそ……」

「お父様、何をコソコソ?」

「いや、何でもないぞ?」

「フ・フ・フ・フ……」

「へ・へ・へ・へ……」




「どうだった陛下との謁見は?」

「う〜ん……この後どうしていったら良いかって言うヒントは沢山貰えたかな?

 それと、僕、陛下の事好きになったよ?」

「好きにか?陛下も全く同じ事言ってたぞ?」

「スフィア王女の事、断ったのに?」

「それが又、レオの好感度を上げたみたいだな」

「ねえ?ローレンスおじさん。陛下に最初に会った時、

 〝帝国……〟って言い掛けたんだけど何かな?

 オースティン帝国の事かな?

 じいちゃん達がオースティン帝国からも、貴族爵を貰ってるから?」

「…………さあ?何が言いたかったんだろうな?」

「ローレンスおじさん、今一瞬考えたよね?何か知ってるの?」

「済まん……前も言ったが、剣神様に口止めされている事があるんだよ。

 何時か必ず話せる日が来るから」


「もし本当にティアナと婚約したとして、それは当分、秘密にしときなさいって……

 何時も近くに居て、守りたいなら、ティアナ専属の護衛って事にしとく様にって陛下が」

「どうして?」

「じいちゃんばあちゃんの孫って言うのは、伏せとく様にって……

 そしたら僕は平民って事になるでしょ?

 平民が、ティアナの婚約者って変だからだって。

 隠しておかなきゃなんない事多くて、学園生活大変そうだよ」

「そうよね?私専属の護衛って言うのなら、

 それなりに強いって所は見せなきゃならないし……」

「それは大丈夫だって言ってた。試験で剣の技量は少し見せちゃったし、

 筆記も……満点だったらしいけど……それも発表しなきゃいけないらしいし……

 学生として抜きん出ているって位の実力は隠さなくて良いって。

 〝あくまでも学生としてのだぞ〟って陛下が」

「なるほどね?ある程度の能力は、

 周りに認めさせておく方が良いと言う判断かしら?

 もう既に、サンチェス侯爵との、いざこざの噂も広がってるしね。

 まあ平凡な学生を演じるには、少し無理があるものね?」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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