第10話 僕に、おっぱい触られるの嫌?
「次は、あの子じゃな……ファイアーを打つところの様だ」
「プッ、めちゃくちゃ緊張してますね?右手と右足同時に出てますよ?
手を前に出して……えっ?詠唱しないのですか?
あっ、小さな声で〝ファイアー〟って言った様な……
おお!火が出た。あれ?ちっさ〜〜蝋燭位ですよ?うわ!でかくなった!
慌てて小さくしてますね……」
〝ドンッ〝
「おお、普通のファイアーだ。苦労していた様ですが、なんとか出来ましたね?」
「くれぐれも慎重に、学園を消し去らない様にと、
クリスティー公爵殿に、言われておったらしいからな……」
「いよいよ剣の対戦ですね。どれ程の実力なんでしょうね?」
「この1年は剣聖様に負けた事がないんだと……
そんな話、お前、信じられるか?」
「いえ……でも、あの子を見てると、
有りえるかもって思ってしまうのが怖いですね……
さあ、始まりますよ?」
〝始め!〟
〝いやぁ〜〜!〟
勢いよく飛びかかる対戦相手。剣を振るも、
そこには既にレオナルドはいない。
「ちょ……今、あの子、消えませんでした?あっ、又……」
「何と言うスピードだ…… 宿場町の騎士程度が敵うはずもない……話は本当だった……」
いくら打ち込んでも、掠りもしない……
いつの間にか後ろに現れて〝コツン〝と頭に軽く剣を落とすレオナルド。
〝ドスッ!〝
「あっ……大丈夫?気を失っちゃった!手加減失敗……」
「手加減とか言っちゃってますよ?」
「今治すからね!ヒール!」
微かに頭が光り目を開けた。
「ヒールですか?出来る人少ない魔法なのに……
魔法に自信が無いって言いながら、めちゃくちゃ上手じゃ無いですか?」
「おっぱい効果で、ヒールには自信があるらしい……」
「おっぱい効果?何ですそれ?」
「さあな?私にも分からない……」
「サーレイン宰相閣下……」
「おう、学園長殿」
「かの少年の、筆記試験の結果が出ました」
「おお、急がせて申し訳ない。で?」
「……それが……4教科は満点で……残る魔法理論は、90点か満点……」
「凄いなそれは……そんな高得点聞いた事が……
ん?90点か満点?何だそれは?」
「1問だけ、正解の模範解答とは違うのですが、
もしやこの方が魔法効果が高く、倍以上になるかも……
スタントン教授が、そう言って……研究室に閉じ籠ってしまいまして……」
「間違いなく本物じゃな?こうしちゃおれん、急ぎ陛下に報告せねば……」
「なあレオ?お前、編入試験で何をしたんだ?」
「ん?上手く出来たはずだけど…… 未だ発表前なのに、もしかして不合格?
筆記試験は問題ないと思うし、
剣も魔法も、ローレンスおじさんの言う通りに出来たはずだけどな……
あっ!対戦相手気絶させちゃった!……それで?……」
「いや、その事は問題ではないだろう……
状況は教室から覗いていたティアナから聞いている。
合否の発表は未だだが……試験は勿論合格だろうよ……
ただな?試験の事で陛下に呼ばれたのだよ……何故だ?」
「陛下?国王?何で?」
「それが分からんから聞いている……まあ、行くしかあるまい。直ぐ支度しなさい」
「えっ?僕も?今からなの?」
「うむ。何でも極秘の謁見らしい。レオは作法は知っているか?」
「うん、ばあちゃんから習っているよ?
でも、どこに行こうと、頭を下げる必要ないとも言ってたけどね?」
「大賢者様の言う事は正しいのかもしれんが、今日の所は……」
「うん、分かってる。ちゃんとするよ」
「ああ、そうしてくれ。さあ、着替えてきなさい」
「着替える?何に着替えたら良いの?」
「ああ、フローラに言えば、嬉々として用意するよ」
「ちょっと、どうしたのその格好?お兄様の礼装、凄く素敵じゃない?
大人っぽく見えるわよ?孫にも衣装ってやつね?」
「ティアナ……字が違う……馬子」
「何んで喋ってるだけなのに字がわかるのよ……って、どうしてそんな格好してるの?」
「陛下に呼ばれて謁見するんだって。極秘だよ?」
「喋っちゃってるじゃない?」
「将来の奥さんには、良いんじゃない?」
「ちょっ……あばあば……ま……未だそうと決まったわけじゃ……」
「僕に、おっぱい触られるの嫌?」
別に嫌じゃな……ってそう言う事じゃない……もう……知らない!」
「まあ僕たちが結婚とか考えられないよね?」
「何よ……私じゃ不満なの?」
「違う違う……だって僕、平民だよ?」
「何騒いてるんだ?おお、立派な紳士に見えるぞ?そう言う格好も似合うな。
フローラはどうした?」
「僕の完成した姿見たら倒れちゃった……」
「「あらら……」」
「で……平民がどうしたって?」
「僕、平民なのに、ティアナと結婚なんて周りが許すわけないって、そう言ったの」
「ん?何でレオが平民?」
「貴族じゃないから……」
「いや、お前は立派な貴族だぞ?」
「何で?じいちゃん達が貴族だなんて聞いた事ないよ?
ローレンスおじさんも言ってたでしょ?じいちゃん達が叙爵を辞退したって」
「辞退し続けたって言ったんだよ?最後には渋々受けたんだ。
家名は確か……キャンベル……だったかな?」
「嘘?初耳なんだけど……」
「ダグラス王国とオースティン帝国との平和と、
お2人が中立を守る為だったときいているが、
両国から同時に大公爵を受けたんだよ?」
「大公爵?そんな爵位あるの?」
「苦肉の策なんだろうな?階級としては王同等……かそれ以上……そう聞いてるよ?
領地は辞退されているから、いわゆる法衣貴族の様なものなんだけどね。
国からの年金は、頑なに受け取らなかったらしいよ?」
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