1. 失恋、そして転生
「楓! 少しまえからお前のこそが好きだった! 俺と付き合ってくれ!」
胸のたかなりを抑えて、楓の返事をまった。楓は悩んでいるのか少しの間、沈黙の時間が流れた。
「ごめんね。陽太とは友達でいたいな!」
この日、有井 陽太の最初で最後の恋が終わった。
美羽 楓は、小学校からの幼馴染であった。
小さいころはいつも後ろをついてきてまるで妹のように感じていた。当時あまり友達のいなかった陽太にしては、唯一の友達であり、ともにいた時間は親よりもながかったかもしれない。中学校でも、ちょこちょこ告白されていたらしいが、そのころの陽太には、関係のない話だった。
高校に入り楓は、どんどんと美人となっていた。一躍学校の姫と呼ばれるまでになった。陽太はそんな楓に、嫉妬をいだきつつも背徳感であふれていた。段々と彼女と接していくうちに陽太も楓の魅力にひかれていった。
楓のことを友人として好きではあった陽太の気持ちが恋愛感情に変わるのは時間の問題だった。その分今回の失恋は陽太にとってとてもショックであり、絶望だった……
陽太はこの気持ちを引きずったまま教室へと帰った。
「あぁ~~……」
ため息には、幸せが逃げるというが陽太のそのため息は、周りにいるひとたちの幸せもいげてしまうようなものだった。
「お前だからいっただろ、流石に楓ちゃんはハードル高すぎるって」
陽太がふられたこと知ったこの学校唯一の親友とも呼べる連夜がからかいにきた。
「お前が楓ちゃんに告るって聞いた時は何の冗談かと思ったがまさかがちだったなんてな」
連夜が笑いをこらえることができず、口元を隠している。
「まぁつらいだろうが前向いていこうぜ!」
「もう無理だぁ~~立ち直れねぇ」
「しゃーねぇーな家までおくってやるよ」
連夜は陽太の家とは逆方向であるのにもかかわらず、送ってくれるといわれ陽太も少してれくさそうにしている。そのまま、連夜は陽太を慰めていたが、陽太は相変わらず元気がなかった様子だった。
そして、帰り道の横断歩道にかかった所だった。
「おーい陽太、まだ赤だぜ」
陽太、ぼぉーっとしたまま赤信号の横断歩道に入った。連夜の声は陽太には、届いていない様子であった。
「ようたくーん」
少し声の大きさを上げたが、まだ陽太はぼぉーっとしている様子だった。
そんな時だった……
横から減速しているトラックが陽太につっこんできていた。陽太は、まだトラックんことには気づいていない様子で元気のない足取りで横断歩道をあるいている。
(こののままだったらトラックが陽太にぶつかる!)
連夜は今まで以上に声を張り上げた。
「ようたぁ! おい!」
陽太は、連夜からの声でトラックには気づいた様子だった。しかしもうトラックは、陽太の目と鼻の先だった。連夜も突然のことに体が動かなかった。
「ようたぁああああああ」
その瞬間だった。トラックに陽太がはねられたのは
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「———————俺は死んだのか?」
陽太が目を覚ますと神々しい光をはなった雲の上のような場所で寝ころんでいた……
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