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7-3:土曜日3


次に指名してきたのは、格闘ゲームだった。

盤外に落とす格闘ゲームだ。

「このゲームはやったことあるわ」

「そうか?じゃあ、説明しなくてもいいな」

「はぁ?そんなの当たり前やないか?頭に虫でも湧いてんちゃうか?」

にゃろう。

「じゃあ、やりますよ」

「やろうややろうや」

ところで。

「このゲームはやりかたを知っているのか?」

確認。

「あったりまえじゃん。なんぜそんな事聞くねん」

はい、ボコること決定。

「じゃあ、手は抜かないぞ」

「よっしゃー。かかってきぃ」

俺はコントローラーを強く握った。

「「3・2・1」」

手が汗ばんできた。

「「ファイト!」」

と、俺の手からコントローラーが堕ちた。

「やばっ」

俺はコントローラーをとるかテレビ画面を見るか。

どっちつかずの俺の視界に映ったのは。

相手のゲームキャラクターが勝手にステージから落ちて自滅する光景。

「……」

「……」

「……操作の仕方を忘れた」

 彼女の恥ずかしそうな引き笑いが再び。

俺は黙ってコントローラーを拾って、その場に置いた。地面に落としたお菓子が土だらけだったので食べるのをやめたような置き方をした。


「何してんねん!」

また怒ってきた。

「いや、もう勝負ついたから」

「まだついてへん」

「いや、2勝したし」

「勝手に3本勝負にすんな」

「じゃあ、何本勝負?」

「うちが勝てるまでや」

「お前は子供か!」

「子供ちゃうねん、ガキやねん」

「なんやお前!」

グイグイ来るな。


「それで、次のゲームやけどな」

 話は次の段階に移っていた。

「まだするの?」

「当たり前やん。ゲームは楽しまな」

 さも当然かのように話すが、ゲームしていないだろ。

「そうだけど、何かが違う」

「まー、えーやん。それよりこれ」

シューティングゲームのソフトを持っていた。

「今度はできるのか」

「当たり前や」

「さっきはそれでダメだっただろ」

「何を言うてんねん。いつの話や」

「ついさっきの話だよ!」

わざとボケているのか、天然ボケなのか。

「そんなことより、ほれ、ほれ」

パシリに強制するような、悪い顔してセットしろと催促しているソフトを持った手の揺らし方よ。

「はい、はい」

俺は気だるくセットした。

キャラクターを動かして撃ったり避けたりするゲーム。

俺は銃を握るような感覚を頭の中で勝手にイメージしようとしてできずにコントローラーを持った。

「兄ちゃん、やるで」

「……」


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