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7-2:土曜日2

「じゃあ、勝負だ」

「どういう勝負ですか?」

「先に100勝したほうが勝ち」

「ひゃっ?そんなにやってられ……」

「しあさってまで」

「やらせていただきます」

長居させてたまるか!!!


俺はコントローラーを持った。久しぶりの感覚だ。そういえば、このゲームをするのは久しぶりだ。

アイテムありのレースゲーム。

横の彼女は、姿勢を正して座っていた。臨戦態勢か。

どんなに強いのかわからないが、俺だって昔はこのゲームをやりこんだものだ。負けてなるものか。

スタートダッシュ集中。

3・2・1

「「ゴー」」

ぬるっとスタートした。俺の錆び付いた腕では、スタートダッシュは無理だったようである。

彼女は?

――彼女の車は動いていなかった。

「……」

「……お前」

「これ、どう動かすんや?」

 彼女は恥ずかしそうに引き笑いしていた。

俺は黙ってコントローラーを動かした。黙って農具を使って土を起こしている農家のように動かした。


「なにしてんねん」

彼女はブツクサ言ってきた。

「何って、言われて通りゲームを」

「そうやない!なんでゲームの仕方を教えへんねん」

うるさい奴だな。

「知っていると思ったんだよ」

「なんでそんなこと思うねん。勝手な奴やな」

「それはお前だろ。それに、知らないゲームを押し付けるか普通?」

「普通?兄ちゃんの普通は知らんわ」

「ああ言えばこう言う」

「こう言えばああ言う」

「馬鹿にしてんのか?」

「馬鹿にしてへん。アホにしてんねん」

「うっさい!」

イライラしてくる。

なぜゲームをしていてイライラしなければならないのだろう?イライラ解消のためのゲームだろ。

「じゃあ、次のゲーム行こう」

「うぉい」

 マイペースに無視してきた。



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