1-1:日曜日1
1:日曜日
彼女は紫色のショートマッシュに白くて細長い顔を隠していた。山に山菜採りに来たら真っ先に警戒すべきキノコみたいな見た目だった。
赤のカーディガンと紺のワイドパンツから出ている体の部位は全体的に白くて細かった。
少しは日焼けしたほうが健康的だと思う。
「あーたがポンコツっしょ」
「なんですか?」
日の出のように急にやってきて、急にポンコツと言ってきたよ。
「あーしは、あーたがポンコツって聞いて、やってきたの」
何を言っているのだ?なんだ、その喋り方?
「俺ですか?」
「そーよ。わざわざ来ただけでもありがたいっしょ」
こいつ、ギャルだな。
「別にありがたくないです」
「マジ?チョベリバ」
今時チョベリバって……
「はい、だからお帰りください」
「ちょー待って待って待ってー」
日の出とともに聞こえてくる鳥の鳴き声のような声だった。
「何ですか?」
「あーし、あーたのために来たんですけどー」
「何ですか?ギャルに来てもらう理由はないですよ」
「ちょー待って。あーし、別にギャルじゃないし」
見た目はそうだけど、喋り方はどう考えても。
「ギャルだろ」
「そんなことないしー。ギャルの言葉とかよくわかんないしー」
「嘘つけ。とりま、とか言うのだろ?」
「なにそれー。犬の散髪―?」
それはトリマーな。
「それで、何しに来た?」
「あーた、自分に自信がないんでしょ?」
その言葉は太陽のように眩しかった。
「そうだけど」
「そんなんダメっしょ。もっと自信持たないとー。いっそのこと傲慢にならないとー」
「それは嫌だ」
俺は打ち水で熱を冷やすような言い方をした。
「なしてー?傲慢いいじゃん?」
「俺は思うんだ。『1つの傲慢は多くの苦労で帳消しにされる』と」
「マジでー?チョーウケるー」
何が受けるんだよ。対して笑ってねーじゃん。真顔じゃん。
「何がおかしいのですか?」
「いやね、自信がないといいながら、自信いっぱいに格言みたいなことを言うから」
「それがそうした?」
「矛盾してんじゃん。言っていること噛み合ってねー」
馬鹿にしてきた。
「別にいいじゃないか」
「あーしは別にいいけどー、あーたはそれでいいの?」
「どういうこと?」
「んー、わかんない」
なんだこいつは?
「とりあえず、帰ってください」
「んー、とりあえず運動しよっか」
お前の頭は太陽の熱にやられたのか?
「どうして?」
「理由なんかないっしょ。マジやるよー」
そういうと、俺の腕を引っ張って強制的に座らせて、股を開かせた。
「っ?なにすんだよ?」
「マジ柔軟っしょ」
そう言うと、俺の足を自分の足で固定しながら、思いっきり引っ張ってきた。
「いだだだだっ!」
「マジ痛いの?テンションぱない」
ぱないのはお前の何かだ!
「やめんかー!」
俺は口だけは威嚇できた。
「痛がるからっしょ」
「本当に痛いんだよ!」
固定されて動けない内太ももが伸びきった糸状態。
「たいして広がっていないし、たいして柔らかくね?」
「俺の体は硬いんだよ」
内ももが太陽のように熱かった。
「ふーん。本当に痛いの?」
「……なんだよ?」
声が静かになったが、心配してくれているのか?
「もっといけるっしょ」
「あぁー!」
ブチッ