表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

変な男子高校生たち


 「ああ、クソッ、外れねえ」


 高校2年生、田嶋慎平(たじましんぺい)は登校中、自分の右手首に着いて外れない赤色のリングを引っ張ったり叩いたりして外そうとしていた。


 (なんでこんなもん拾っちまったんだろ)


 慎平は昨日の学校からの帰り道、道端に落ちているこのリングを見つけた。綺麗だったので試しに手首に着けてみると外れなくなってしまった。翌朝になっても外れなかったため、仕方がないので、制服の袖を伸ばし、なんとか隠している状況である。


 (こんなん着けてたら確実にあいつらに笑われる)


 10分ほどの登下校路を歩き、慎平は学校に着く。そして、靴を履き替え、教室へと向かう。

 慎平は8クラスあるクラスの中で、4組に属している。そしてこのクラスには、慎平が警戒している''あいつら''もいる。

彼らとは1年から同じクラスで去年から気が合い、今では親友と呼べる存在だ。

だが、それがおしゃれなリングをつけている慎平を笑わないということには繋がらない。確実に笑う。そういう奴らだ。気をつかわずに仲良くできるのはいいことなのだが今回にいたっては悪いことだと慎平は思う。

拾ったリングを着けたら外れなくなったなど言えるわけがない。


幸い、教室にはまだ''あいつら''は来ていなかった。ひとまず慎平は安心する。が、


 「お、おはよう慎平!!」


そう言って慎平に挨拶をしながら教室に入ってきたのは中村閏(なかむらうるう)、慎平の親友である''あいつら''の1人だった。


 (げ、きやがった)


おはよう、と返しながら慎平は心の中で悪態をつく。


 「ん? 何でお前、そんな襟立ててんの?」


閏はなぜか制服の襟を不自然にまで立てていた。


「え? いや何でもねえよ!! それよりお前こそ何でそんな右だけ袖を伸ばしてんだよ?」


 「お、俺も、何でもねえよ!!」


 リングを隠すために伸ばしていた袖について指摘され、慎平は焦る。


「おはよう。慎平、閏」


聞こえてきたもう1人の親友の声に2人は振り向き、挨拶を返す。


 「「おはよう!!」」


食い気味に。


 「なんか2人ともいつになく元気だね。どうしたの?」


 この少年は、藤津玲(ふじつれい)。閏と同じく、慎平とは去年からの付き合いである。


「「何でもない!!」」


 また食い気味に答える2人を普通なら奇妙に思うはずなのだが。


「ならいいけど」


 そう言って自分の席へと向かう玲。しかし、


 「「なんでそんな変な歩き方してんだ?」」


右足を左足で隠しながら歩くという奇妙な歩き方をしている玲に2人は問いかける。


 「な、なんでもないよ!!」


今日は3人ともどこか変だった。



 


 








 








 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ