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戦闘:勇者佐々木亮


目の前の勇者クラスメイト、学級委員長の佐々木亮ささきりょうが私を見据えて剣を構える。


モーリスが私を突き飛ばせて良かった。悪霊との戦いで成長したのか、直接宿らずとも大雑把になら物を動かすことが出来るようだ。そうでなければ、背中からバッサリ切られて致命傷を負っていた。


「…私を、殺す気ですか?佐々木さん。」


佐々木さんに問いかける。彼は姫乃ちゃんと同じ普通の学生のはず。私が死ぬかもしれなかったにもかかわらず、冷静に振舞っているのを疑問に思い問いかけた。佐々木さんは眼鏡越しに私を睨みつける。その眼には、冷酷な殺意が宿っていた。


「貴女が言えたことではありません。貴女が行った襲撃で一人同じ教室の仲間が死んでいるんですよ?」


仲間が、死んでいる。やっぱり、それも知っている誰かが…あれほどの騒ぎを起こしたから、死人が出るとは思っていた。なるべく殺さないようにはしたが、あの混乱では誰かが死んでもおかしくない。例えそれがクラスメイトだったとしても。だけどいざ聞かされると、思っていた以上に衝撃を受けた。


「国王から如何に死霊術師が邪悪か聞かされましたが、その通りでした。貴女は血も涙もない殺人者です。これ以上被害者が出る前に引導を渡します。」


そういって佐々木さんは剣を振りかぶって突っ込んできた。早い、剣術には詳しくないが離れていた距離を一瞬で詰めてくる。だけどたとえ正しいのが彼で間違っているのが私だとしても、殺されるわけにはいかない。


『つー!モーリス!』


二人の使役霊を動かす。つーを佐々木さんに飛ばして憑りつかせようとする。だがつーは宿ることなく、壁に当たったかのようには弾き飛ばされる。剣の攻撃は止められない。だけどモーリスが再び私の体を押して後ろに下がって交わす。今度は自分でそうさせたので、地面に倒れずにきちんと着地する。


「また交わしましたか、ですが問題ありません。僕が着ているのは聖なる鎧、貴女の邪悪な力は僕にはもう効きません。」


なるほど、その鎧のせいだったのね。注意深く見れば確かにあの金色の鎧は薄っすらと魔力を帯びている。その魔力が壁になってつーを弾き飛ばしたようだ。今のつーの角では悪霊の霊体は貫けても純粋な魔力の壁は貫けない。これでは確かに憑りつかせることは出来ない。


「そう、貴方には、ね。」


だったら対象を変えればいい。鎧は魔力を宿しているが、手に持った剣は別だ。今度はつーに剣の方に取りつかせる。つーは剣の中に入り込み、そのまま『上がれ。』と命じた。


「なっ、剣が!?」


直接武器を狙われるとは思っていなかったのか、剣が手を抜けて宙に上がる。しかし路地裏の奥から光弾が剣に命中し、つーが弾きだされて剣が地面に落ちる。


『つー!?』


『!?、…!!…』


空中で一回転しながらぴょこんとつーが体勢を立て直して私の元に戻ってくる。良かった、無事で。だけど耳が垂れ下がってぐったりしている。次にあの光弾がつーに命中したら危ない。


「…ったく、先走んなって言ったのが聞こえなかったのかい。」


老婆の声と共に、奥から白いローブを纏った人物が現れる。カン、カン、と杖を鳴らしながら歩いてきた。…私を追いに来るとは分かっていたが、この人物にだけは会いたくなかった。ローブ越しで顔は隠れているが忘れはしない。彼女を中心に渦巻く魔力は私では到底抜けない防御になっていて、その光の魔術は私が扱う死霊に対して極めて有効だ。ローブの奥から微かに見えた目から鋭い眼光を放っている。


「また会えたね、死霊術師の小娘。名乗らせて貰うよ、王国魔術師のゲルダだ。」



その老婆の正体は、熟練の聖術師。私より格上で、死霊術師わたしの天敵だ。





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