死と再会
修学旅行の飛行機事故で、一人生き残った少年がいた。
あぁ、やっと終わりが来たんだ、と。やっとみんなに会えるんだ、と。
公園のベンチに寝そべって空を見上げていた。
みんながいなくなってからちょうど一年。
あの日も星が綺麗だった。
右手を空に差し伸べる。
今日だけは、星に手が届きそうな気がした。
僕を嫌いなやつに言ってやろう、こんなに早くに来てゴメン、と。
僕を好きなやつに詫びよう、一緒にいけなくて悪かった、と。
どーでもいいやつには挨拶しよう、こんにちは、元気かい、と。
友人たちに会いに行こう、待たせてしまってすまないね、と。
フッと笑みがこぼれる。
最後の息を吐きながら、世界に別れを告げよう。
「さようなら、現世」
「久しぶり、みんな」
「初めまして、来世」
右手が、ダラリと垂れ下がった。
公園のベンチで、人が死んでいるという通報があったそうな