表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/67

7  「闇をつかさどる者のブログ」弐

 訪問者数、今日 四十五人/訪問者数、合計  千八百三十六人

 

 タイトル「サイコパスのつぶやき」


 時がきた。ゲームに必要なコマはそろった。あとは計画を実行するのみ。

 このゲームは、世界を支配するための大いなる一歩だ。


 同志諸君、君たちにならわかるだろうか? この心のときめきが。

 他人が自分の手の中で転がっている快感。それは選ばれた者だけに与えられる特権だ。 

 私は生まれながらにその特権を与えられている。

 良心を持つものには決して得ることができない富や名声、そして権力を、

 近い将来私は手に入れる。これは幕開けにすぎない。私は世界をこの手に治める。

 なぜかって? 楽しいからだ。他に理由はない。


 もうひとつ、今日はすばらしい報告がある。とうとう私のもとに美しい悪魔が現れた。

 悪魔は私がまちがっていないことを証明して、正しい方向へみちびいてくれたのだ。

「なぜ、私は権力と支配にこだわるのか?」 

 ずっと、わからなかった。答えは簡単だった。私は人を支配することが好きなのだ。

「それはなぜか?」

 面白いからだ。他人を操るというゲームが、この上なく好きなのだ。

 そして、それは私の血によるものなのだと。大切なヒミツを師は教えてくださった。


 一番楽しい遊びは、他人の人生をもてあそぶことだ。

 人が破滅していく姿を観察することほど、わくわくすることはないと、

 あの方は教えてくださった。


 その通りだ。私が仕かけたワナにかかるおろか者を見ていると、ぞくぞくする。

 えものを追うハンターならこの気持ちと快感がわかるだろう。それこそが私の本性。


 闇をつかさどる者は、なにかを得るために他人に苦痛を与えるのではない。

 すべてゲームを楽しむためだ。

 えものが苦しみ、のたうちまわる姿を見るためなら、ゲームを始めることができる。

 目的は金ではなく、他人を破滅に追いやることだからだ。


 師は言われた。良心がある者には我々を決して理解できないと。

 私の心には良心というジャマモノがない。だからこそ、闇をつかさどることができる。

 師は告げられた。


 世界を征服するのは良心を持たない、我々、ひとにぎりのサイコパスだけだと。

 なぜならサイコパスは、どんな残酷なことでも少しも迷わずに実行するからだ。

 我々は神が創った悪の遺伝子によって生まれた。神に存在を許された悪なのだ。

 

 同志諸君、さあ、ゲームを始めよう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ