第7話
あの男の子の言葉を聞いた後、コペとミーは言葉をなくした。最初に、気を取り直したのは、コペだった。
「その話は、また今度ゆっくり話すとして、ミー、もうすぐ学校に行く時間じゃろ?わしもそろそろ宮殿に戻らなくちゃならんのじゃ。そこで急がせて悪いんじゃが、今、世話人になってくれるかどうか、決めてもらえんかの?」コペの言葉で我に返ったミーは、
「世話人になるのはいいの。でも私が、学校に行っている時間この子の面倒を見る事が、出来ないわ。どうすればいいの?」と、言った。
「その事については、すでにウィックさんに頼んである。お前さんが学校やら仕事で、お昼をこの子にあげられない時、代わりにやってくれるそうじゃ。それで了解してくれるかの?」
「えぇ、それなら私世話人になるわ。」と、ミーが、笑って言うとコペも安心したように笑った。そしてミーは、男の子に名前を尋ねた。男の子は、
「ベルだよ。」と、言ってまたケーキを食べ始めた。
戸を開けると、外には、まだ少し人が残っていたが、ほとんどの人は、学校や仕事に行ってしまったらしい。ミーは、チェドがいないか探したが、いなかったので先に学校に行ってしまったのだろうと思い、コペに別れをつげ家へと向かった。コペの問いにちゃんと答え、笑顔を作ることが出来たが、実の所ミーは、とても混乱していた。
「昨日に続いて今日は、これ?!一体何なの?私の信じていた世界がどんどん変わってゆくじゃない。伝説の世界が、存在すると分かったのは、嬉しかったけれど、他の世界から物を持ち込んだ事に校長先生が、関わっているかも知れないなんて。それに、ベルの言うことが本当なら、私に、ママという存在の人がいて、その人が私を生んだって事になるの?」と誰も、答えてくれることの、ない問いを、家につくまで繰り返し唱えていた。
戸を開けると、とてもいい匂いがしたのでミーは、驚いてキッチンへ向かった。すると、机の上に朝ご飯が用意してあり、イスにはチェドが座っていた。ミーが、びっくりしてチェドを見つめると、
「けっこう時間かかったね。もう学校行く時間になっちゃうから、早く食べなよ。」と、笑いながら、チェドは言った。ミーは、本当に嬉しかったので、
「チェド、もう行っちゃったのかと思った。朝ご飯用意してくれて本当にありがとう。」と、心からお礼を言った。チェドは、どうって事ないよ、という感じに笑うと
「いいから、早く食べて学校行くよ。」と、だけ言った。
「うん。いただきます。」と言ってミーは、おいしそうに、ご飯を食べはじめた。あっという間に食べ終えたミーは、さっきベルが話した事をチェドに、教えようと思ったがチェドが、
「食べ終わった?なら早く学校行くよ。用意して。」と、お皿を片付けながら言ったので、学校が終わってからにしようと思いまた言うのをやめたのだった。そしてまだ対応魔法をかけていない事に気づき、急いでパートナーを呼び出し、かけてもらった。ついでにチェドも、と思い、妖精に頼もうと思ったが、妖精がチェドならミーより先にかけたよ。と言ったので、そんな事頼もうと思ってなかったわ、という顔をして妖精を見た。もちろん妖精は、嘘だとわかったので、いたずらっぽく笑って消えた。ミーは、妖精に見透かされたことを悔しく思ったが、時間がない事を思い出しあわててチェドの元へと走った。外に出ると、カレンダーと呼ばれるもぐらが、頭を出していた。ミーとチェドに気づくとフウーと赤い息を吐き、宙に「火曜日」という文字を作った。そいてミーとチェドが、
「ありがとう。」と言うと、もぐらは、宙に文字を残し地面にもぐってしまった。そして、もぐらが消えると文字もスゥと消えた。それから2人は、時間がぎりぎりなことに気づき学校までずっと走ったのだった。
教室につくとすでに先生がいて、出席をとっていた。




