第4話
校長室から、誰かが、ひそひそと話している声がドアの隙間から聞こえて来たためミーは、足を止め、ドアの影に隠れ耳をすませた。
「信じられない。まさか、伝説の世界なんて・・・。」と、黄土色のマントを着た背の高いほっそりとした男が、言った。
「いや、本当なのだ。レベル6のパートナーを持つ、ドリスという魔法使いが地球に行き、証拠として持ってきた物がこれなのだ。」と、えらそうな態度でイスに座り、言葉を放った男は、ミーとチェドの通う学校の校長、そう、カールだった。最初ミーは、自分の目を疑った。しかしまぎれもなくその人物が、校長だとわかると、ショックで、胸が裂けそうだった。ミーは、いつもニコニコと笑いながら、声をかけてきてくれるカールが大好きだったのだ。そしてまた背の高い男が口を開いた。
「と、すると本当に伝説の世界とは、実在するという事なのですか?しかも滅ばず今も存在すると?」この言葉を聞いた時、ミーはおもわず声を出しそうになった。あまりにも信じられなかったのだ。諦めていた地球への思いが、よみがえった瞬間だった。その時ミーは、地球のことしか考えていなく、2人がまさかイスから立ち上がり、ドアに近付いているなどとは、知る由もなかったのだ。そして再び部屋をのぞき込むと、2人が自分のすぐ近くにいる事がわかりとても驚いた。そしてミーは、気づかれたと思い目をつぶり、全身に緊張が走った。だが、どうやら2人はミーには、気づかなかったらしくまた話を始めた。ミーは、自分が息を止めていた事に気づき、あわてて呼吸をした。聞えてきた話し声は、カールだった。
「そうだ。しかし今詳しい話をするのは、やめておこう。私は、明日隣村の学校に、行かなければいけなくなったのだ。今日は、これからその準備をしなければいけないので、もう家に帰りたい。この話は、明後日にでもどうだね?」
「えぇ、もちろん私は、いつでもいいですよ。それでは、明後日お会いいたしましょう。」と、聞えたので、ミーはあわててドアから離れ一目散に、来た道を戻った。そして曲がり角まで来ると、後ろを振り返り、気づかれてないか確認した。どうやら、まだ校長室から出てきていなかったらしく廊下に2人の姿は、なかった。ミーは、しばらくの間、自分の心臓の音しか聞えなかった。手は、強く握りしめていた事が、わかるしるしがついていた。爪が、手のひらに、くいこんだらしく血がにじんでいたのだ。それでも緊張していたので痛みを感じる事は、なかった。それから、だんだん落ち着いてくると、先生に呼ばれていた事を思い出し、また校長室の前を通らなければ、いけないと気づいた。仕方なくミーは、校長室の前を急いで通り先生の元へと急いだ。先生の話を聞いている間、伝説の世界からもって来た物に、ついて最初に考えたが、検討もつかなかったので、諦め、何故校長が、それを手に入れることが出来たのか、あの男は誰なのか、どうやってドリスという魔法使いは、地球に行ったのかなど、次から次へと浮かんでくる疑問を、頭をフル回転させ考えたが、全てわからなかった。なので、帰り道にチェドにこの事を話し、意見を聞こうと、思ったが妖精の話になってしまい、しかもチェドがお説教を始めたので言うのをやめたのだった。そして今、シャワーを、止めると、ミーは、はっきりしない内は、チェドに話すのはやめておこう。と思い直したのだった。ミー自身何故そう思ったのか、わからなかったが、その方がいいと思ったのだ。それから、ベッドに入ったミーは、遅くまで、校長室で聞いた話の意味を考えた。そしてもしかしたら、カールは、悪事を働いたわけでは、ないのかもしれないという、今にも消えそうな希望を抱き、眠りに落ちた・・・。




