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Puzzle  作者: a-m
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第34話

コペは心の中で、ミーは状況判断の能力にかけておるのかの?と思ったが、1回咳払いをすると、

「そうか。それはわしから説明しよう。その間にミー、お前さんとチェドは妖精の領域に行き闇の現をサンの言った通り聖なる木に還すのじゃ。この部屋はそうでもないが外は魔法の残り香が、ソロンを覆っている。太陽の姿もすっかり見えん。もう太陽が寝ている時間だが、太陽の姿が見えないというのは、やはり聖なる木の死とつながっておるのじゃろう。普通なら、いくら夜になろうとも、光を放っていない太陽の姿を見ることができるのに・・。兵士たちも何かおかしいという事に気づいておるようじゃ。早く行け。」と言った。チャじいは、

「闇の現を一目見せてくれませぬか?」といきなり言った。チェドは目でコペに尋ねコペがうなずいたので、マントから闇の現を取り出し、机の上に置いた。そして、

「さっき話した通りあんまり長い事見ていてはいけませんよ。」と念をおした。王とチャじいは、うなずくと闇の現を交代に手に取り、チェドの忠告を守りあまり覗き込まないように、気をつけ見ていた。そして、気がすんだ2人はチェドにそっと返した。チェドは、慎重に受け取るとコペに

「じゃあ行ってきます。」とだけ言うと、闇の現に

「聖なる木のもとへ」と語りかけた。すると、闇の現はさっきと同じように空間を裂き聖なる木のもとへと導いたのだった。王の間からはいくら覗いても聖なる木の姿を見ることができなかった。そのため、ミーとチェドは覚悟を決めると、チェドから先に空間を通り空間の繋がる場へと消えた。そして、ミーも王の間に残る3人に

「さっき私たちが通った地球への空間はもう閉じてるのかしら?」と聞いた。コペはすぐに

「ここに来る前一応見てみたがまだ閉じては、おらんかったようじゃ。しかしだいぶ穴は小さくなっておる。広げてこなかったからあと少したてば閉じるじゃろ。」と答えた。ミーは、小さくため息をつくと

「闇の現の魔法には太陽が機能していなくても関係ないみたいね。じゃあ、私たちはこの空間が閉じるまでの時間・・・約1時間で戻ってこなくちゃいけない。あっ!コペおじいちゃん。途中で穴を広げたりはしなくていいわ。広げると、私たちが戻ってきてからも、開いている事になっちゃうから。」と言い残しすぐに聖なる木のもとへと消えた。その後をチョコ、パフェ、ケーキそして虚ろ魔法の妖精がついて行った。最後までその姿を見送ったコペたちは、無事戻ってくる事を願いミーたちが帰ってくるまでの時間を過ごすのだった。

先に着いたチェドは、自分の視界に広がる壮大な空、どこまでも続く真っ青な空、その空をより美しく見せているのが、ソロンでは光を失った太陽だった。そして、太陽の輝きの下で存在を隠すようにはえている葉のない木、その木は奇妙なほどあらゆる枝が折れ曲がっていた。その木のもとへ近付こうとした時後ろで物音がしたので驚き振り返るとミーが立っていた。チェドは安心し笑いをもらすと、

「何か話していたの?遅かったね。」と尋ねた。ミーは後から妖精たちが着いてきたのを確認すると、チェドの方を向き

「時間の確認をしていたのよ。私たちはあと1時間で全て済ませソロンに戻らなくちゃだめみたい。」と答えた。チェドは

「大丈夫だ。あそこの木が聖なる木だと思う。葉っぱがないのはサン先生が殺したからだと思う。」と奇妙な枝の木を指差し言った。ミーは、チェドの指差した先に目を移した。ミーの聖なる木に対する第一印象は最悪のものだった。思わず

「何あの気味の悪い木・・・。聖なるっていうんだから、もっと綺麗な木なんじゃないの?」と口にだし呟いた。チェドは思わず笑うと、

「あぁ、でもそれはサン先生が殺したからかもよ?」と言い

「とにかく近付いてみようよ。」と付け加え聖なる木のもとへと、進んだ。ミーもチェドのあとを追い聖なる木へ近付いた。妖精たちは、その場から凍りついたように動かなかったが、ミーに

「どうしたの?早く。」と呼ばれたので仕方なく羽を羽ばたかせあとを追った。途中ミーはチェドに

「前から疑問だったんだけれど、何で聖なる木が枯れた事を殺されたっていうのかしら?クッキーが聖なる木は生きているって言っていたし、サンも聖なる木は心で会話をすることができるって言っていたけれど・・。でも聖なる木は木でしょ?人間や妖精、動物のように殺されたとかっていうのは、おかしくないかしら?それにサンはどうやって聖なる木を殺したの?」と尋ねた。チェドは

「う~ん、どうだろね?聖なる木は使者に造られたんだろ?で・・・会話も出来るんだから、僕たち人間と変わらない存在なんだよ。どうやって殺したのかはこれから聖なる木に闇の現を還したら聞けばいいんじゃないかな。」と答えた。ミーはうなずき、目の前にそびえる気味の悪い木を見上げた。今ミーたちは聖なる木のいくつにも広がる枝の中心部、幹の目の前に立っていた。2人は目を閉じサンに言われた通り心で聖なる木と会話をしようと試みた。ミーは

「闇の現を持ってきたわ。」と、チェドは

「どうやって還したらいいのですか?」と心の中で囁いた。妖精たちはびくびくとおびえながらも、聖なる木の回りを飛びまわり様子を窺っている。聖なる木からの返事がないため、やはりもう完璧に意識がないのかと思った時、心の奥底で轟くような響きを感じた。2人は驚き自分の心の中を見るようにその響きを受け止めた。聖なる木は2人に

「早く私の幹に闇の現を押し入れて。」と語った。ミーはチェドに視線を送りチェドはミーの視線に気づくと、一歩前に進み出た。そして、言われた通り聖なる木の幹に闇の現を押し入れようと、闇の現を幹にあてた。すると、闇の現の触れた部分がやわらかくなり、自ら進んで闇の現を自分の中に取り込もうとしているように、ぐいぐいと中に闇の現が引っ張られるのをチェドは感じた。そして、もう手を放しても大丈夫だろうという程、聖なる木に闇の現が還ったのを確認すると、ゆっくりと手を放しミーの隣に戻った。そして、チェドは自分の目の前で行われている出来事に目を奪われた。ミーはすでに目を放すことができなくなっていた。聖なる木は、幹から闇の現が入ってきた瞬間に変化を起こした。一枚もついていなかった葉が再び若葉となり現れ、奇妙なほど折れ曲がっていた枝は、まっすぐに堂々とした枝となった。そして、完璧に闇の現が聖なる木へと還った瞬間、神々しいほどの輝き、高潔さをかんじさせる力強さをもつ木へと変わった。聖なる木の回りを飛んでいた妖精たちも驚きミーとチェドのもとへ帰って来た。今度は聖なる木が自ら心を通わせてきた。

「感謝します。これでソロンはもと通りになったでしょう。太陽の力は以前のように、働きます。全てあなたたちのおかげです。」と言った。ミーは

「あなたはもう大丈夫なの?」と問いチェドは

「今もあなたは醜い心を持った木なのですか?」と聞いた。聖なる木は、心の中でもこの2人は同じような事を思うのね。と思った。

「私は聖なる木として、命を授かったと同時に、闇の現という強力な闇の品を一生守るという運命を授かりました。しかし、私はそんな運命を背負えるほど強くなかった。私は誕生した瞬間から自分の心を闇の現の欲望が支配する精神に奪われていたのです。これを真実と受け取っていただけないかもしれませんが、本当なのです。そして、サンに闇の現を取り上げられるまで自分を失っていました。でも今は違います。サンに闇の現を奪われたあと自分の中に残る闇の現の心と戦い勝ちました。しかし私の中に残った最後のひとかけらの闇の現は、サンを操り自分のいう事を簡単にうけいれそうなカールという男へと自分を渡すよう仕向けたのを止めることはできなかった。でも今は完全に私の心は闇の現に勝つ事ができます。私はこれからこの闇の現の力を自分の心で支配し平和のために使います。あなた方がしてくださった事には、なんと申し上げてよいのかわからないほど感謝しています。あなたたちのお仲間のコペさんや、イガさんにもどうぞ私の感謝をお伝えください。」と聖なる木は語った。ミーとチェドは、聖なる木は真実を話しているということはすぐにわかった。だからこそ最後イガという言葉を言ったのには心底驚いた。ミーとチェドは同時に

「イガを生き返らせてくれたのですか?!」と聞いた。聖なる木は

「感謝の気持ちです。そもそもイガさんが命を奪われたのも私の未熟さのせいですし。それと、最後にあなたたちに謝るべきことがあります。どうか許してください。サンから使者があなたたちの家族を殺したとお聞きでしょう?本当は違います。私なのです。闇の現にとらわれていた私が殺したのです。そして、あなたたちの仲間の使者を石に変えたのも・・・。」と言った。ミーたちは、やっぱり、という思いだった。使者がやったのではないと思っていたのだ。もちろん確信はなかったが、漠然とそう感じていた。だから、一言、「わかっています。」と答えた。

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