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Puzzle  作者: a-m
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第21話

「君たちがここに来るというのは、ドリスという赤いマントの人間が我々に言ったから、わかった。そしてもう1つの質問の答えは簡単だ。この者達は、我々使者の下で働く妖精だ。我々がついて来るように命令したからいる。」ドリス・・・。ミーたちは、全身に興奮と緊張、そして恐怖が走った。闇の現をソロンに持ってきた人物の手がかりをやっとつかんだのだ。チョコたちは、羽で気持ちを表しているかのように、思いっきり羽をばたつかせた。そしてコペは、みなぎる感情を抑えるように、ゆっくりと、

「ドリスはここにいるのか?この妖精の領域に・・・。」と使者に尋ねた。使者の中の今まで口を開かなかった妖精の1人が、

「もういないわ。彼は聖なる木の命を奪ったあと、伝説の世界・・・地球へと消えてしまった。」と怒りと諦めをこめた声色で言った。

「聖なる木を殺した?地球に行った・・・?どうやって!?」ミーが、叫ぶように聞いた。

「闇の現の力でよ。何であなた達人間はこんなひどい事ばかりするのよ!!」とミーに負けず大きな声で、答えた。

「私たちは違う!!ドリスが地球から持ってきた闇の現のせいで、1人犠牲になってるの。その人を助けることが出来るかも知れないって思ったから来たのよ。それにクッキーが自分の命をかけてまで私たちに教えてくれたから!!」とミーは自分が、泣いてるのにも気づかないほど真剣に話した。チェドはそんなミーをそっと抱きしめ、なぐさめながら、

「ミーの言う通りなんだ。だから昔何があったのか、ドリスは何故聖なる木を殺したのか教えて。」と使者たちに頼んだ。使者の妖精たちは、信じてはいないようだが、聖なる木が死んでしまったのだから、言ってもいいだろうと思い、昔あった出来事に続けてドリスがした事を説明した。

「昔ソロンと伝説の世界地球は、簡単に行き来ができた。創造魔法の妖精に似た能力をもつ親交魔法の妖精によって、地球とソロンを特別な道でつなげていたからだ。ソロンにはその時人間がいなかった。そのため妖精たちは人間がソロンに来るのをとても喜び、人間たちが妖精に対して横暴になっても許していたのだ。しかしある時、妖精の数が激減している事に気づいた。地球の人間が妖精を連れて行き、魔力のある人間に使わせ戦争の兵器としたからだ。この時ばかりは許すことが出来なかった。我々妖精は、親交の者に道を閉ざすよう言い、親交の者はすぐに従い閉ざした。だが、妖精の数は増える事がなく減りつづけた。我々はまず親交魔法の者を疑った。誰かが内密に道を開き、人間と関わりを持っていると思ったのだ。そして親交の者を1人残らず、調べ上げた。しかし誰がやったのか犯人をあげる事は出来なかった。そして悲劇が起こったのだ。その時の妖精の王が親交魔法の妖精を、みんな殺した。禁じられた魔法の能力を持つ、灼熱魔法の妖精の力によって。その光景を見ていた妖精で今生きている者は数少ない。その中の1人が私だ。今でも覚えている。一秒一秒全てを想い出すことができる。悲鳴をあげる事さえ出来ない灼熱の炎に包まれながら、親交の者・・・およそ150人が順々に死んでいった。これで他のたくさんの妖精が助かるのだから。と思い自分の友の者が目の前で焼かれていくのをだまって見ていた。そしてやっと、親交の者を全て殺した。地球に連れて行かれた妖精以外を。これで妖精の数が増えソロンはまた平和を取り戻す・・・取り戻すと信じた。しかしそれから、数日たったある日の朝、自分の隣の家の妖精・・・自分の友の妖精・・・ほとんどがいない事に気づいた。ソロンの妖精の半分が一夜にして消えたのだ。親交の者は間違いなく全員殺したのに、また妖精がいなくなった。あの時の思いを、言葉で表すとするならば、絶望以外何物でもないだろう。例え自分が直接手をくだしていないとしても、罪の重さは一緒だ。私も親交魔法の妖精を殺した、灼熱魔法の妖精たちと同じだ。自分の仲間である妖精を疑い、人間を疑わなかった我々が愚かだった。人間が道を開く事が出来ると考えなかった。ちゃんと考えていれば、人間が妖精を連れて行ったのだから、魔法を使う事ができるという事に気づかなかった。絶望にかられていても、我々は道を探した。しかしどこにもなかった。人間がソロンに来る方法は連れて行った親交魔法以外ないのに、と誰もが思っていたためこの結果には、戸惑いを隠せなかった。太陽があがっている時間帯ですら、心は闇だった。しかし、ソロンに残った妖精たちが、王の間・・・今の聖なる木が立っている場所に集まり、これからの事について話し合っていた時、人間たちがどうやってソロンにきて妖精をさらって行ったのか、分かる出来事が起こった。残った妖精を地球に連れてこようとした人間が、王の間に突如現れたのだ。その時、人間がソロンに来るために使ったのが、闇の現だ。その時我々を捕らえようと、地球からやって来た人間が、いろいろと話してくれた。もちろん闇の現について・・・闇の現が、妖精であるという事も。最初の頃地球へ連れて行かれた妖精たちは、魔法使いたちにより、戦争の兵器、闇の現を作るために、大量虐殺された。そして何らかの方法で、殺した妖精たちを1つに集め、闇の現に妖精の力を閉じ込めた。闇の現は、人間をどこか闇の世界に閉じ込めるだけではなく、あらゆる空間を裂き、どこにでも行く事が可能な物だ。他にもいろいろ出来る事があるかも知れないが、わからない。その時も闇の現をその人間は使おとしたが、王が食い止めた。自らの命を犠牲にしその人間を殺したのだ。それから闇の現は妖精が守ってきた。その守り主として、聖なる木が誕生した。我々残った妖精全員の力によってな。その時、湖も一緒に聖なる木の水源として作られた。聖なる木は我々の想像を越えた力を持つ木となり、湖は神秘の水を作りだすようになった。絶滅寸前の妖精の数を増やしてくれたのは聖なる木だ。そして我々が聖なる木に従うようになった。聖なる木は口に出し話す事は出来ないが、心で会話をする事が出来る。そしてもう何も問題が起こる事はないと思ったのだが、君達も知っての通り、聖なる木は、魔力をもった人間の記憶を食する。そのため、仕方なく我々は4歳の誕生日を迎えた魔法使いの者を、連れてきて聖なる木に、その者の記憶を食べさせるようになった。そしてその人間たちは、妖精の数を上回るほどになった。その時には我々妖精も数が増えていたため、妖精の領域を作り人間にソロンを譲った。そして、今のように、人間に呼び出された時以外はこの妖精の領域にいる、という制度がとられるようになった。パートナーの制度を作ったのは、その方が人間に関わる妖精の数が少なくてすむからだ。それから今まで、聖なる木の考えにより、妖精の領域にくれば死ぬ。という風に、人間に思わせ、来る気にさえさせないようにした。伝説の世界についてあやふやにしたのも、昔起こった事を知られないように、つまり闇の現によって行く事が出来るという事をな。しかしドリスにはそれらの努力も意味がなかった。そのため彼は妖精の領域に来て聖なる木に、問い詰めた。聖なる木は、彼に嘘をついても無駄だと思い、今私が話した事と同じ事を彼に話した。あと、まだ話していない、聖なる木がなぜ人間に自分が生んだという事にしたのか、という事も。その答えは、単純明確。そうした方が聖なる木は人間に尊ばれるからだ。聖なる木にも性格、感情という物がある。聖なる木は、自分が上にたつ事が好きなのだ。ドリスは真実を知り、聖なる木を見下した。そして、ちょうちょする事なく、ドリスは聖なる木か闇の現を奪った。ドリスは相当な力の持ち主だ。パートナーの力が強というだけではなく、ドリス自身の力が強いのだろう。奪った時は聖なる木を殺さず、気を狂わせただけで終わらした。そのためついさっき、聖なる木を殺した時まで、我々は闇の現が奪われたのに、気づかなかった。彼は聖なる木を殺した後、我々に向かって、「俺の後に、人間が来るだろう。そいつらに、俺は地球に行ったと言え」と言った。そして今に至ったのだ。今またドリスという魔法使いによって歴史は繰り返されようとしている。我々に出来る事は何もない。」と涙を流しながら、真剣に話してくれた。話を聞いている最中、コペは無表情だった。チェドはミーに回した腕をほどき、終始苦々しい表情をして妖精の話を聞いていた。ミーは、自分と同じ人間がした事をとても恥ずかしく思った。年配の妖精の仲間の使者や使者の下で働く妖精たちも神妙な面持ちで聞いていた。中には年配の妖精のように泣く者もいた。コペは自分のパートナーの博士の方を一目見ると、言葉を失っているミーとチェドに変わり、年配の妖精たちに、話し掛けた。

「つらい過去を話してくれてとても嬉しく思う。ドリスが何を企みまた過去と同じ事を繰り返そうとしているのかは、図りかねる。だがわしらは何としてもドリスの陰謀を阻止してみせる。」と妖精たちに、宣言した。妖精たちはコペの言葉を全面的に信じたわけではなかったが、絶望に押しつぶされそうになっている心に希望を与えたのだった。その思いの変化を読み取ったコペはその光景を黙って見ているミーとチェドに、

「何を突っ立っておるのじゃ。ドリスの後を追い地球に行くぞ!闇の現を使ったのなら、この穴のようなものがどこかにあるじゃろう。探すのじゃ。」と強い口調でミーとチェドに命令した。ミーとチェドは今までコペを怖いと思ったことがなかったが、初めて恐れを感じた。そしてコペは護衛魔法使いの長なのだ、と改めて思うのだった。それから3人とチョコたち妖精は地球への穴を探した。なんと年配の使者とその仲間たちも一緒になって探してくれた。そしてすぐに穴を見つけることができた。その穴は小さかったが、妖精の1人が大きくしてくれた。そしていよいよコペたち3人とパートナーの妖精たち、そして透明魔法の妖精パフェが地球へと続く穴へ、向かったのだった。その姿を見ていた使者たちは、かすかな希望を胸に抱き、コペたちの帰りを待つのだった。


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