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Puzzle  作者: a-m
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第20話

コペが最初に目にしたものは、信じられないほどの数の妖精だった。そして何より驚いたことに、その妖精たちみんながコペの方を向いているのだ。コペは

「何故妖精がいる事を教えんかったのじゃ?」と責めるように、自分のパートナーに尋ねた。博士は困ったように、顔をしかめ

「私が覗いたときには、いなかったのです。」と、博士らしくない、もじもじとした口調で答えた。コペは、ため息をつくと、苦笑しながら博士の小さな頭を小指でなでた。博士はコペが怒っていない事に安心したらしく、妖精らしい美しい笑みをこぼした。そしてその時、コペのあとに続いたミーが現れた。ミーもコペと同じように妖精たちに驚きコペの方をすがるように見た。コペは

「安心してよい。危害を加える気はないようじゃ。」といい、ミーの警戒を取り払った。そのあとすぐにチェドが現れたが、妖精たちにあまり驚かずミーにすぐ

「なんか殺風景だね。」と言った。コペとミーの2人は、チェドの言葉が可笑しかったらしく、2人同時に笑い出した。チェドは、そんな2人を見て面食らい眉間にしわをよせた。それから、やっとコペとミーは、笑うのをやめ、チェドと向き合い少し話しをした。(3人は、自分たちを見ているこの妖精たちに話し掛ける決心をしたのだった。)

「何かわしらに用があるのかの?」妖精たちは何も答えない。

「人間の言葉わかんじゃないのかしら?」チョコたちは、そんなはずはないとミーに教えた。

「聖なる木に言われてきたの?」最後にチェドが言った。するとようやく妖精たちに変化が表れた。妖精たちの表情が無表情から憎しみのこもった目、怒りにゆがませた口へと変化を見せた。3人は今のチェドの質問が的を得たのだと思った。しかし、このあと1番奥にいた妖精の1人が

「お前達が仲間を殺したんだ。」と悲痛な叫び声をあげた。3人は顔にこそ出さなかったがショックを受けた。すぐにクッキーの事だと分かったのだ。すると今まで沈黙を守っていた妖精たちは、その妖精に続くように次々と話し出した。みんな一斉に話しだしたため、何を言っているのか全ては聞き取れなかったが、大体みんなクッキーの事についてミー、チェドそしてコペの3人に文句を言っているらしい事はわかった。3人は妖精たちが静かになるまでずっと黙って聞いていた。言いたい事を全て言い切ったのだろう。すっかり妖精たちはまた最初と同じように何も言わなくなった。しかし最初とは違い話し掛ければ答えてくれるだけではなく、自ら話をしてくれるようになった。自分たちと同じ妖精だから、という事で、チョコたちがその妖精たちには話し掛けた。

「クッキーの知り合いなの?」チョコが言った。

「クッキーというのが、殺された仲間のことならね。」ある妖精が答えた。

「仲間?っていう事はあなた達みんな聖なる木の使者?!」ケーキが驚いたように尋ねた。

「みんなじゃないわ。私とこの5人よ。聖なる木の使者は、私たちとクッキーの7人だったのよ。」と、チョコの問いに答えた妖精がまた答えた。

「聖なる木との契約ってなに?」今度はパフェが言った。この問いには、使者の中で唯一、男の妖精が答えた。その妖精は使者の中で1番年配らしく、髪に白髪が混ざっていた。

「聖なる木は妖精を生む。具体的にいうのなら、生むというよりも、命を授けると言った方が正しいかもしれんが。まぁよい。そして生んだあとすぐに、その妖精が使者となる器かどうか見分け、使者になれる者だと思ったのなら、まず契約を結ばせる。契約はそれほど難しいわけではない。聖なる木の食事に関わること、別世界から人間を連れてくるという事、つまり人間が聖なる木から生まれるのではない、という事などを聖なる木に関わる事実をソロンの者に教える事を禁じるというのが契約だ。我々使者は人間に関わることがない、そのため契約を破る方が難しい。しかしは使者を辞めるよう聖なる木から言い渡せれ、人間に呼び出される身となってしまった創造の者は契約を破ってしまった。そのため聖なる木が命を奪ったのだ。」ここで初めてミーが口を開いた。

「何故クッキーはやめるよう言われたの?」

「創造の者は、聖なる木の周りにある湖の水を飲んでしまったのだ。」と苦しげに年配の妖精が言った。聖なる木の周りにある湖の話など聞いたことがなかったので、その湖が何なのかミーたちは理解する事が出来なかった。年配の妖精はそんなミーたちの考えを見て取り、湖のことについて説明をしてくれた。

「湖とは聖なる木が妖精に命を与える際、使用するものだ。聖なる木は、自分の葉を湖に落とし、その落ちた葉は7日後に妖精となって湖から姿を現すのだ。まだわからんか?湖が聖なる木の葉を妖精に変えるのだよ。」と話したのを聞いて、他の5人の妖精が心配の顔をした。そして黙っていられなくなったのだろう、5人の中の1人が

「そこまで話してしまって良いのでしょうか?」と小さな声で年配の妖精の顔色をうかがいながら尋ねた。他の4人の妖精もそう思っていたらしく、その妖精に賛成するようにうなずいた。年配の妖精は、苦笑いすると

「大丈夫だ。」とだけ答えた。その時使者以外の妖精の2人が、ほのかな光を放ち消えた。ミーたち人間は何か恐ろしい事が起こったのかと思った。しかし妖精たちは気にしてないようだ。コペは

「今のは何じゃ?」と無意識のうちに尋ねていた。使者以外の妖精の1人が

「ただ、人間に呼ばれただけだよ。」とぶっきらぼうに答えた。ミーたちは、今まで妖精が人間に呼び出される瞬間を、もちろん見たことがなかったので、見れて嬉しいと素直に感じた。そして、いよいよ確信をつく質問をチェドがした。

「それで、そろそろ本題に入りたいんだけれど、いいかな?僕たちあんまり時間がないんだ。何で僕たちが妖精の領域にこの穴から来るのが分かったんだい?それと、君たち使者以外の妖精はどういう役割なのか話してくれないかな?」と、使者たちとその後ろにいる妖精たちを、見渡しながら聞いた。この問いに答えてくれたのは、またしても年配の妖精だった。


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