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Puzzle  作者: a-m
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第9話

ミーは、2人に「ここから、先は、少しも音を立てちゃいけないの。だから、絶対に話したり、変な物を、触ったりしないでね。」と真剣な顔でささやいた。2人は、満面の笑顔で、こくこくと、うなずき、小さな手で小さな口をおさえた。ミーは、にっこり笑い、1回静かに深呼吸をすると、校長室の中へと忍び込んだ。最初に、校長の机の周りを、何か変わった物がないかどうか、調べた。そして、奇妙な柄の物や、箱を見つけると、その都度引っ張り出し疑念した。しかしこれだ。と思うものがなく、時間だけが過ぎてった。いくら探しても見つからず、昨日の事は嘘だったのか、とさえ考えた。しかし、その時、2人の妖精が、何か言いたそうに、ミーの回りをぐるぐると飛び回り始めた。ミーは、仕方なく2人の方を見ると、妖精たちは、まだ手を口にあてていた。そして、首を、ブンブン横にふり、目をドアの方に向けた。ミーには、どういう意味か分からず、

「小さな声でなら話してもいいわ。」と、そっと耳打ちした。すると、パートナーの妖精が、

「ドアのそばに、誰かいるんだ。早く探し出して逃げた方がいいよ。」とあわてて言った。

ミーは、一瞬血の気が、引いたが、すぐに校長先生は、今日いないんだから、誰か違う人が、通っただけだわ。と思い

「大丈夫よ。だってここの部屋の人は、今日いないんだから。人が通りかかっただけよ。」

と言いまた探し始めようとした時、

「残念だったね。さぁ、どこにいるんだ?隠れてても私が、ドアを閉めたら君は、もう逃げられなくなるんだ。さぁ!!出て来い!!」と、言った人物は、今日いないはずの、カール校長だったのだ。ミーには、何故こんな事になったのか、訳がわからなかった。確かに昨日カールは、隣村に行くって言ったのにどうしているの?!しかも、どうして誰かいるってわかるの?私ちゃんと透明になってるはずなのに!そう思った時、2人の妖精の事を思い出し、ミーは必死に、自分の回りに目を走らせた。2人が見つかったら一環の終わりなのだ。しかし、妖精の姿は、どこにも見当たらなかった。ミーは、どこかに隠れたのだろう。と思い一安心すると、どうやってこの場を逃げるかどうかに、意識を集中した。カールは、それほど強い魔法使いという訳でもないので、すばやくドアに向かって走れば、逃げられるだろう。と考えた。しかしこの後ある男の出現により、ミーの考えは、砕けた。

「校長、そろそろ遊びの時間は、終わりにして頂きたい。」と、背筋の凍る声で、言ったのは、あのイガだった。そういうとイガは、校長が答えるよりも、早く解除魔法を、部屋中にかけた。するとミーの姿が、一瞬にしてあらわになってしまった。ミーは、恐怖のあまり身動きが出来ず、ただただその場にじっと立っていた。ミーの姿が、現れた瞬間イガは、興味をそそられたらしく、片方のまゆを、神経質にあげミーを見ていた。カールはというと、怒りですさまじい顔をしていた。ミーは、頭では、早くにげなくちゃ。と思っていたが、体が動かなかった。しかし、もし動く事が、出来たとしても、イガを出し抜き逃げることなど、できなかっただろう。そんな重々しい空気の中、最初に、沈黙を破ったのは、カールだった。

「これは、驚いた。まさか護衛魔法使いともあろう者が、盗みを働くとは。」と、怒りで声を震わせながら、言った。ミーは、

「盗もうなんて思っていなかったわ。ただ何なのかつきとめようと思っただけよ。」と反論しようとしたが、声が出てこなかった。しかし、ミーが答えなくても、カールは、また話し出した。

「恐怖のあまり声もでんか?ふんっ。誰かが、昨日立ち聞きしていた事は、知っていた。それでわざと今日は隣村に出かける。といって、誘い出したんだ。まさかこんなに、上手くいくとは、思わなかったがな。しかもそれが、護衛魔法使い殿だとは。」ここまでいうと、校長は、高らかに笑った。この言葉を聞いた時、ミーは、自分がまんまとこんなやつの、罠に引っかかってしまった事が、とても悔しかった。そんなミーの様子を見たカールはさらに言葉を続けた。

「護衛魔法使いなんぞみんな、お前のようなフヌケな者ばかりだ。ドリスが禁断の魔法を使った時だって気づかず宮殿で、のほほんと、お茶でも飲んでいたんだろう。」と、あざ笑った。この時、ミーは、カールが、護衛魔法使いを、馬鹿にしたことに、怒りを覚えたが、ふと、カールが、口走った事に気が付いた。そう、この時カールは、ドリスが、どうやって地球に行ったのか、自分でも知らない内に、ミーに教えてしまったのだ。ミーは、その事に気づくと、だんだんと、恐怖がやわらいでいき、冷静に物事を考えられるようになっていた。もちろん声を出すことも出来たが、まだカールが何かヒントを言うかもしれないと思い、恐怖におののいている、ふりを続けた。しかし、イガは、ミーの変化に敏感に気づき校長が、また何か言おうとする前に、割って入った。

「校長、この娘は、どうするんです?どこかに閉じ込めますか?」とカールに、尋ねた。カールは、気分が高まっていたため、イガの言葉など耳に入っていなかった。そして、カールは、今までの人生の中で1番の過ちを犯したのだった。しかし、もちろんミーにとっては、ふってわいた幸運だった。なんと、カールは、地球からドリスが、持って帰ってきたという物を、自分のかばんの中から取り出し、ミーに見せたのだ。

「お前に最後の土産として、お前が探していた物を、見せてやろう。」と言い、ミーに近寄ると、目の前に突き出して見せた。それは、黒く奇妙にゆがんだ丸い玉だった。ミーは、これが、どれほどの価値があるものか最初わからなかったが、親切にもまた、カールがヒントを、あたえてくれた。


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