元WEBマーケターの私が、なろうのアクセス解析(KASARAGI)の正しい見方とAIを使った作品評価の方法を解説
小説家になろうで小説を書き始めて、ちょうど2週間と少しが経ちました。
私が書いているのは、いわゆる「なろう系」のテンプレートから入りつつも、普段は省略されがちな部分を可能な限り詳細に描写してみよう、という実験的なコンセプトの作品です。
筆の赴くままにキーボードを叩き続けた結果、かなり早いペースではありますが、この2週間で10万文字を書き上げることができました。
詳細は、私のユーザー名から飛んで頂けると助かります。
しかし、無名の新人にとって、自分の作品が他者からどう評価されているのか……やはり気になってしまうものです。
私は根っからの「ガチ理系」であり、前職は「WEBマーケター」をしておりました。
そんな私が、なろうのアクセス解析ツールである「KASARAGI」を前にしたとき、一体どんな数値を気にしているのか。アクセス解析をする際の注意点について、少し語らせていただきます。
■1. 『最初の10万文字までは、数字を見る意味はない』
まず結論から申し上げます。エロ系や短編などを除き、最初の1話や連載初期の段階で、PVやUUを意識する必要は全くありません。
理由は単純です。そもそも連載物の第1話だけなど、誰も見たがらないからです。ここでのトラフィック(通信量)は、厳しい言い方をすれば「誤差」だと思っていただいた方が良いでしょう。
せいぜい5万文字、できれば10万文字以上を書き溜めてからが、アクセス解析の本当のスタートラインです。それまでは、アクセス解析のページなど開かなくても大丈夫です。ひたすら執筆に集中してください。
■2. 『PCのトラフィックは完全に無視してOK』
連載初期のトラフィックの大部分は、実はPCからのアクセスが占めています。
ですが、喜んではいけません。こいつらの殆どは「bot」、つまり検索エンジン用のクローラーなどであり、人間の読者ではないものが殆どです。
最近では、自分の記事をAIに読み込ませて意見を聞いたりすることもあるでしょう。そうすると、当然PCからのアクセス数が不自然に跳ね上がります。
さらに厄介なことに、クローラーはCookie情報(ユーザーを識別する情報)を持たない場合が多く、アクセスするたびに「毎回別の新規ユーザー」としてカウントされがちです。
ですから、「PC側のアクセスが急に増えた!」と喜んだり、「PCでは1人あたりの閲覧数が全然伸びない……」と落ち込んだりする必要は一切ないのです。
そもそもノイズだらけのデータですので、特にまだ売れる前は解析に使用してはいけません。
■3. 『追うべきは「SP」からのアクセスのみ』
では何を見ればいいのか。答えは「SPからのアクセス」です。
ここにはbotがほぼ存在せず、純粋なユーザーのアクションだけが記録されていると思っていただいて構いません。
ノイズだらけのPCアクセスとは異なり、SPの数値は「貴方の小説が、生身の人間にどの程度読まれたのか?」を如実に表しています。
この情報をまずは、大切に集計してください。
■4. 『ブクマや評価に一喜一憂しないこと』
私の場合を例に挙げましょう。所詮は無名の新人が投稿しただけの作品です。外部で特別なPRを行っているわけでもありません。
ですから、いきなり爆発的に拡散されるような奇跡は起きないのです。
実際、2週間が経過して10万文字を書き上げても、SPのUU数はせいぜい150程度。ブックマークは1桁をウロウロしており、評価なんて「してもらえたらラッキー」というレベルです。
初期の段階でここの数字を見つめても、精神をすり減らすだけであまり意味はありません。
純粋に執筆を楽しみましょう。
■5.『 本当に見るべき指標は SPのPV/UU』
繰り返しになりますが、PCの数字は気にする必要が有りせん、改めて意識の外へ追いやりましょう。
WEBマーケターの視点から言わせていただくと、最も重要な指標は「SPのPV/UU」です。
これはつまり、「見に来てくれた読者が、貴方の小説を平均して何話分読んでくれたか」を意味します。
UUが100で、PVが600であれば、だいたい1ユーザーが6話見てくれている事になります。
もし貴方の小説が面白く、読者を魅了する力があるならば、連載が進むごとにここの数字(回遊率)は確実に伸びていきます。
逆に、連載の文字数が増えているのにここの数字が伸びていかない場合、「どこかに明確な離脱ポイントがある」「読者をがっかりさせてしまっている」その可能性が非常に高くなります。
■6. 『似たような規模の作品と比較してみよう』
自分自身の数字だけを見ていても、それが良いのか悪いのか判断に迷うはずです。
例えば、自分の小説が現在30話、10万文字だとします。そうしたら、同じ規模感、同ジャンルで連載中の他作品を探してきてください。
そして、公開されているKASARAGIのデータから「SPのPV/UU」を比較してみるのです。
もし、自分の数字が相対的に他作品より劣っていれば、相対的に評価が低い、読者離れのポイントがある可能性があります。
逆に優れていれば、「しっかりと良い評価を得ている」と自信を持って良いでしょう。
■7. 『AIに率直な意見を聞いてみよう』
とはいえ、数字だけでは「どこが悪いのか」までは分かりません。そこで現代の利器、AIの出番です。
ChatGPT、Claude、Grokなど、ぶっちゃけツールは何でも構いません(課金して有料プランに入っていた方が、より精度の高いフィードバックをくれます)。
AIに自分の小説を5話ずつくらい、順番に読み込ませていきましょう。そして、ある程度進んだところで、こんな質問を投げかけてみてください。
「自分の拘りポイント(私の場合は『なろうのテンプレートで省略される部分の描写』)は読み取れるか?」
「設定に矛盾やブレはないか?」
「文体にブレはないか?」
「急に話が飛んで、読者が追いつけないような箇所はないか?」
この時、AIから「そうとは思えません」「ここの改善ポイントはクリティカル(致命的)です」といった容赦のない指摘を受けたら、素直に一度自分の文章を見直した方が良いです。
ただし、必ずしもAIが言うことが正しいとは限らないので、そこは注意しながら、自分の肌感覚も大事にしましょう。
■8. 『AIに相対評価してもらおう』
さらに踏み込んだAIの活用法をお教えします。AIに「自分の作品の最初の5話と最後の5話」を読んでもらいます。
同時に、先ほど見つけた「似たような規模のライバル作品」も合わせて読ませるのです。
その上で、AIに率直な比較評価をお願いしてみましょう。5つくらいの作品を並べて、以下の項目を採点させます。
「設定が一番面白いのはどれか?」
「ヒロイン(ヒーロー)の魅力が一番高いのはどれか?」
「文章が一番丁寧で、感情表現が上手なのはどれか?」
「バトルシーンが一番丁寧なのはどれか?」
「続きが一番気になる作品はどれか?」
「もし他人に勧めるなら、どれを選ぶか?」
この結果の中に貴方の作品が所々ランクインしてくれば、それが貴方の作品の持つ「エッジ(強み)」だと思って良いかも知れません。
改めて、AIの意見が常に絶対的に正しいわけではありません。しかし、自分の小説の駄目な部分も含めて、客観的かつ相対的な立ち位置が見えてくるはずです。
■まとめ
新人作者が、たった一人で自分の小説を書き続けるのは心細いものです。
「本当にこの活動に意味があるのだろうか」と悩むこともきっとあるでしょう。
だからこそ、自分の立ち位置を客観的なデータで把握することが大切なのです。
WEBマーケティングの視点と、AIという相棒。上記の方法を用いて、可能な限り自分の現在地を見直してみてください。
それがきっと、迷える執筆活動の道標になるはずです。




