物理の世界7
「コレが城壁の上からの景色……で、方角どっちなん?」
猫の肉球スタンプで敵の拠点の方角に顔が向くように指示してもらう。このニャルが移動中も頭から降りず、タクシーになれという感じだったのでな。
「ん。あっこね。マナシ、あーしちょっと行って潰してくるわ」
「言葉遣いが先程と違わないか?」
「ん~奴らに対してぶっ刺さりまくりなパワー使ってんのよ。んで、それに合わせてギャル化してみた件」
「その力の話、詳しく聞きたいのものだな」
「無理無理蛞蝓だわソレは。あーしのコレは一応神様との契約でいろいろと捧げているから成立してるだけだから」
「そうか」
ご理解していただけたようでなにより。納得しているようで不服なのが若干見え隠れしているな。
さて……シノビからヤンキーに主軸を変えたから身体能力が大幅に減少している状態だ。
そんな状態でここから飛び降りてダッシュで現場に向かう。
死にそうなんだが?〔シノビノカミ〕の力が使えたら便利なのだが……ダメだな。やはりキャラシを同時に適用する事は現状不可能ということだと結論付けておこう。
「……あーし、いっきま~す」
これで病院送りはシャレにならん……ので五点着地して衝撃を分散させる。
昔は必要に駆られて10階建てのビルの屋上からコレで逃走やったなぁ……普通にやったら流石に死ぬて。
一応その時は隣のビルとの距離が狭かったから壁キックで落下速度を落としながら降りました。
閑話休題
「怒りMAX。テンションの固定完了。殲滅を開始する」
『ひどいマッチポンプを見た』
「なにおう?これでもあーし、安心安全なヤクしかキメてないんですけど」
『そうみたいだね。それで走って行くのかい?』
「そだね。それしか移動手段ないもん」
『転移させようか?』
「え?マジ?ヤバ」
『一つ問題があってね、向こうにも感づかれるから出た瞬間袋叩きの可能があるんだよネ』
「もうまんたい。ささ、サクッとやっちゃって」
囲まれているならいるでやりようはあるからネ。単騎で暴れまわるのは我の得意分野故に。




