物理の世界6
「すまない、待たせてしまったようだな……ところでその、頭に乗せている黒猫はどこから入ってきたんだ?」
独房に入れられてはいたが、軟禁状態で手錠などはなかったからな。暇つぶし代わりに猫になって貰って吸っていた。毛並みが最高です。
でだ、マナシ殿からの質問に対する明確な答えは持ち合わせていない。コイツも語る気はないだろうな。となると返答はアレだな。
「コレの系譜が語った格言を一つ。神に道理は通じない」
「本気で言っているのか?」
「襲撃の件、コレからの情報で全貌が見えた。ついでに解決策も」
「この世界に神が降り立つなど魔力を使用する以上に有り得ないのではないか?第一、それが本当に神なのだとして、その言葉は信じられるものなのか?」
「使用回数制限のある神にすら通用する力で情報の真偽は確認しているから問題ない。あと、コレは地上に居る事が仕事の神だからな。肉体が人類の物になっているから問題ないという扱いなのだろうさ」
「分かった。その話はここまでにしよう。それで解決策とは何なのだ?」
「一番手っ取り早いのはコレを生贄に差し出す事。ただし、世界の滅びをイコールで意味する方法でもある」
ニャルラトホテプやナイアルラトホテップとも呼ばれる存在。その父として、主として扱われる偉大なる存在。白痴の王とも魔王ともその二つを掛け合わせて白痴の魔王とも呼ばれるアザトース。
アザトースはクトゥルフ神話という他の神話の内容すら一部取り込み未だに逸話の増え続ける神話において最高神として扱われるほどの格の高い存在。
Q.その魔王様がお目覚めになったどうなるか?
A.世界が滅びます。寝返り一つでも星が消し飛びかねません。
生贄として最上位の素材が手の届く場所にあったら使いたくなるよね~~ってクトゥルフ神話系列の儀式で生贄は大概洒落にならんのよ。
閑話休題
「滅びの来ない方法は?」
「元凶を叩き潰す。許可がもらえるならすぐにでも行ってこよう」
「上の判断を仰ぎたいところだな」
「正直知れば知るだけ正気を蝕み狂気へと変貌させる神話の神々の争いに巻き込まれたとだけ報告すればいい」
「科学的、論理的に説明がつかないって事で詳細の提示を求められるのがオチだな」
「ここを出る許可が下りて元凶を潰せればあとはどうとでも証明の方法はある」
「分かった。貴女が此処に入っている理由は儂を殺した疑いがあるからだからな。儂が此処に居る以上は釈放となる」
「出ていかせて貰うよ」
てしてし頭を叩いて催促か?全速力で向かいましょうとも。ねこぱんちさいこう。