未知なる設計図 後編
「我が主、お連れ致しました」
「二人とも来てくれた事感謝する」
「ボス、堅苦しい挨拶は抜きに用件ってのは『アイリスよ!このゲートの最後のパーツが作製できたという事だな!』……なのか?」
「フランセット、この人がその最後のパーツを召喚してくれる方よ」
『ぬ?どこかで見た覚えがあると思えば我輩と交渉してこの新たな道を示した者ではないか。召喚に必要な魔力が足りないのであれば我輩が供給しよう。故に是非とも頼みたい!』
あの落ち着いていたドラゴン様はいずこに?テンション高いな。
フランセット殿の現在の姿は30cm程の人型ロボット系プラモデルをボディとして胸部に竜玉をコアとして格納している状態だ。
仮にこの姿であの戦闘力を維持していていたのならとてつもない脅威だろうな。魔法に関してはしているんだろうが。
そしてエピゾの方は苦笑いだが、呼び出しの理由は察されたか。
「この場に居る六名にてゲートの先の調査を行う。フランセット殿に関しては本当に危うくなったのならグレイのインベントリに退避してくれ」
『心得た』
「ししょー、私は帰ってもいいですかぁ?」
「出来れば同行して欲しい。我単騎ならここに戻ってこれるかもしれないが、当分こっちに戻ってこれなくなる可能性もある。その際、サバイバル技術があるかないかで生存率がだいぶ変わるだろうからな」
「しょ~がないですねぇ。おねーさんの力でいいならいくらでも貸してあげましょう」
……よくよく考えると〔猫紫苑卓〕の武力トップスリーがそろってるじゃねぇか!
言わずもがな闘技大会無差別部門優勝者クロエ、古今東西様々なサバイバル技術と武術を修めたエピゾ、力のベクトルの見極めを得意として消力とも呼ばれる技を使いこなすメカニカルアイリス。
ミオンに見られたらオマエどこ滅ぼしに行く気だよって突っ込まれる布陣だったかもしれない。
閑話休題
「さてと……"召喚術"起動、召喚陣の正常な作動を確認、召喚条件の絞り込み設定……完了。(ダイスロール)による判定……出目2の5で7により成功。よし、アイリス頼んだ」
「あいよー。サイズピッタリだね。ん?起動したみたい」
「それじゃ、お前ら行くぞ」
「「はい!」」
やれることを全力でやるだけだからな。




