【超級職】取材?【石油王】
「すみません、黒い油……石油を売っている商人の方で間違いないでしょうか?」
「ええ、と言っても滅多に売れず、他の商品の方が売れていますね」
「ご職業は【石油王】で間違いないでしょうか?」
「はい、よくご存じですね」
いよっしゃー!!砂漠のオアシス村十件梯子した甲斐があったな。移動時間はほぼかからないと言っても暑いからね。
「あの、石油を大量購入したいのですが、大丈夫でしょうか?」
「ありがとうございます。えっと、この樽の中身がうちで扱っている石油です」
「一樽いくらでしょうか?」
「そちらの言い値で構いませんよ」
「では、中身を一度確認させていただきます」
「どうぞ」
一口に石油と言っても種類は様々になる。掘り出した状態の原油、原油を加工した物として有名なガソリン、それから軽油に重油に潤滑油etc……プラスチックの原料たるナフサも此処だ。
それぞれ特徴やそれに伴う使用用途が変わっている。
そして目の前のコレは黒いな……粘度の確認もした方がいいかも知れない。
「すみません、コレを買い取る事は約束するので粘度の確認をしても大丈夫でしょうか?」
「ねんど……ああ、粘り気ですか?油としてはかなり粘り強いですよ」
「……ちなみに、取り扱いをしている石油の種類はコレだけですか?」
「ええ、私の知識が足りていないのか、この石油以外生成できないのですよ」
ああ、ビンゴだな。図書館にあった確認されている超級職一覧の不遇超級職リストにあった情報の通り、生成のようだ。
意思の違いから同じ「せいせい」でも「生成」と「精製」に別れる。コレを会話ログを閲覧するというある意味裏技で判別した。
確認するべき事が増えたな。
「そっと、そんな状態で超級職に至れたのですか?」
「運が良かったのですよ。たまたまこの石油と呼ばれる液体が湧き出る泉を所有していて、自分でも何かに使えないかと実験を繰り返し、その結果学んだ事を就職試練のテストで書き出して後の解答欄は勘で埋めました。未熟なまま就職に成功してしまったのですよ。職業が知識としてコレ以外にも生成できると教えてくれるんです。ですが、私にはコレ以外の石油が分からないのですよ。見たこともなければ聞いたこともない。調べて見ても私以上に詳しい方とは出会えない……貴女はコレ以外の石油の知識をお持ちなのですよね?お願いします。私に指導をお願いします」
……重症過ぎて手に負えません。
アルケミストグループにぶん投げたれや。必要とあらばリアルのネットで検索してその情報を暗記して持ち込むぐらいしてくれるだろうしな。




