表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/117

商人と接触

「姉御、着きましたよ」

「ん?路地裏?」

「いや、流石に人目がある場所で袋から人を出すなんてできないでしょうよ」

「正論ね。行くわよ」

「へい!」


 此処って、もしかしなくても私が誘拐された路地裏?まあ、案内について行きますけど。


 案外噴水広場は近かったね。それで、目当ての人物は……多分アイツかな。近くで合言葉を呟いて反応を確かめるとしますか。


「ナーヴァ・ラージャ」

「マスターで一人目ですよ」

「やっぱりお前だったか髭紳士」

「ええ、そちらもずいぶんと凝ったキャラメイクをされたようで」

「こっちは天然モノだ。その渋い面の似合う服装にはやくなれるといいな」


 シルクハットとタキシードの似合いそうな髭がトレードマークな老紳士、ナーヴァ・ラージャ。今回商人として普段のプレイを楽しむと宣言していた奴だ。

 実際、リアルでも個人経営の商店としてはそこそこ稼いでいる方らしいからな。

 お金方面でシナリオを潰しにくるタイプのプレイヤーだからな。シティアド(街の探索系)をやらせると金を稼ぐ手法をいくつも使いまわしてしたたかすぎる商人の人って共通認識が生まれる程度には趣味が実益に繋がるタイプのプレイングをしている。

 髭紳士はネット上での活動名だから、どちらで呼んでも本人は構わないと書いていたがな。


「商会作るのか?」

「作りますよもちろん」

「人手は確保してやった。後はお前の腕次第だ」

「流石、としか言えませんねマスター」

「偶然としか言えん」

「人数は?」

「30程」

「男女比は?」

「おおよそ9対1。磨けば光る」

「拠点などは?」

「小規模ながら存在する」

「パーフェクトですマスター」

「感謝の極み」


 外見だけで語るならセリフ逆だろとは思うが、動作を省略して口頭だけで行う。このやり取り好きな奴は隙あらばやろうとするからな。

 ……仮に戦争のような事態に巻き込まれたら、演説は少佐のモノをアレンジして使わせてもらうか。


「それにしても吸血鬼ですか?」

「名前を見ろ。それが全てだ」

「にしても、よくその名が通りましたね?」

「普通のとは一味以上違う偽名の作り方をしているからな。禁止ワードが存在して、すり抜けを行ったとしたらソレぐらいしか心当たりはないぞ」

「さようで。であれば、名を隠した方がよろしいかと」

「神話関係調べたのか?」

「雑談程度ではありますが、存在をほのめかされたので用心するに越した事はないかと」


 なるほどな。だが、名の変更は余程の事が起きない限り不可能だと利用規約にも表記されていた。

 R18なワードではないから規制が掛からなかったとも考えられるが……邪神の信者扱いされるのも困るな。

 必要がないなら引きこもりをこっちでもやるしかないという事か。


「我がここで待機する。コレと一緒に顔合わせ行ってこい」

「えっと、拠点までこの方を案内した後、姉御の迎えにここまで戻ってくればいいんですね?」

「頼んだぞ」


 このまま他の面子と顔合わせを無事に済ませられるといいのだがな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ