移動を兼ねた検証
「これがエリアの境界……言うなれば結界のような物が張られている感じだな」
目に見えず、それでいて壁の様に触れられる……と言っても軽く反発してくるので触り続けるのは至難の技だな。
いや、よく観察するとドットによって構成された某有名すぎるサウンドボックスゲームの最果ての境界に似ているな。
あのゲームと同じ場合、いくらでも通り抜ける方法はあるが……バグが一切報告されていないこの世界において、通じるかどうか……試すしかないな。
「″猫の道″からの″彷徨″……あ、いけた」
女神様やっぱりこの能力ヤバいです。
″猫の道″は裏道を用意して本来出来ない事を可能にする忍法。
そして″彷徨″は本来入れないが観測可能な場所へと入り込む忍法。
2つの併用で抜けられる事は判った。システムからのペナルティを警戒……警告、確認されず。敵影、このエリアに生息しているエネミーしか確認できず。
問題無さそうだな?渡されていた大まかな世界地図とコンパスの方角からして目的地はあっちだな。
全力で走りますか。
◆ □ ◆ □ ◆
「着いた……は?」
徐々に加速するか……で走り出したが、加速途中の状態で次の境界に激突しかけた。
秒数にして十も過ぎてないと思う。
シノビの戦闘時の行動速度やっぱり頭おかしいわ。そう言えば〔シノビノカミ〕の最高速度は光と同等かソレ以上……うん。
そりゃ全力で走ろうとしたらすぐに次の境界にぶち当たりますね。
だって一区画1k㎡だからね。
「おうあんた、そんなところで立ち止まってどうした?ボス探してるんならあっちだぞ」
「教えてくださりありがとうございます」
幽霊歩きで離脱するか。
◆ □ ◆ □ ◆
「……居ないな?」
人影無し、敵影無し、よし潜ろう。
と言っても、現地着くまでこれの繰り返しなんだよな。




