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取材準備『騎士王』編

「…………」

「また無心でスロットですか?」

「案外正直コレ以外赤字になる気しかしないんで。お待ちしておりました『賭博』オーナー」

「今回は何をお望みで?」

「貴女に一筆紹介状を(したた)めて欲しい相手がいるのですよ。この身一つでの弾丸取材も出来なくはないでしょうが、同じ『超越者』からの紹介状の有無で取材に応じて貰えるかどうかもある程度変わるはずですから」

「そう、ですか。誰を取材するおつもりで?」

「『騎士王』を含め、ブリタンニアそのものを取材してこようかと」


 次の取材相手は『騎士王』の予定……まあ、ブリタンニアに行って入国すら拒否されたら諦めて別の対象を取材しに行きますけども。

 現在の次点候補者は【石油王】で、石油関連の取引を結べたらなぁ……とは思っている。


 閑話休題(プラスチック製品求む)


「景品の一つだというのなら交換レートを教えてもらえるとありがたいです。現在の所持しているチップで足りないならその分稼いできますので」

「そうですね、このチップで100枚にしましょう」

「ではこちらでお願いします」

「……もう100枚ありますか?」

「あ~はい。わかりました。こっちのもどうぞ」


 あのギャンカスの保釈金が裏VIPの最高額チップ100枚ってどれだけ借金積んでいるんだよ。呆れて声も出んわ。

 まだあと300枚ほどあるから全然問題ないがな。

 スロットで稼ぎましたので。


「アイツなにかやらかしたんですか?」

「闘奴達の間でギャンブルを始めています」

「賭け金の類は?」

「主にカジノから支給される物資ですね。他は持ち込んだ物資を賭けて返済が遠のく方まで現れてます」

「下手したら闘奴が増え続けるだけになる奴ですか」

「ええ、下手に増えすぎても釣り合いが取れなくなるので規制を考えていた所なので胴元を回収してもらえるだけでもありがたいです」

「ほんと、あのバカがすみません」


 真面目な話として商品開発部のテスターに拘束してやろ。

 じゃないとまたここで闘奴になって迷惑を掛ける事になるだろうかな。


「あ、やっと引き取りに来てくれたの?」

「お前に語る話などない。とく失せよ」


 召喚術と結界術を併用して転送術として使用、お前の為の監獄に送ってやろう。


「あとどれだけの札をアナタは隠し持っているのでしょうね?」

「札数で言えば3桁はあると思いますよ」

「そう、ですか。では、こちらが指定された景品の紹介状です。そこまで交流がある訳ではないので効果は期待しないでくださいね」

「まあ、有名すぎる一国の王がこのような地底に来ていたら驚きですけど」

「そうですわね」


 世界情勢勉強の一環で王族の似顔絵の類を見せてもらっていたが、どことなくその似顔絵で見たことがあるような人がカジノの顧客に来ていたことは見なかったことにしておこう。

 身の安全は重視するべき事柄だからな

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