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伝説の闘技大会19

「準決勝、お相手は自傷技を多数使用して自らは回復、相手はダメージを負うという戦法で勝ち上がってきた人です」

「だが、無意味だろうな」

「はい。力量差が圧倒的過ぎて棄権したくなりますよね」

「だから会話で時間を稼ぎ、ついでに情報を引き出そうとしていると……」


 考えられた作戦かもしれんが、この作戦はアズルの優しさを前提条件として組み込んでいるから問答無用で回復(攻撃)しますだと成立しなくなるんだよな。


「ギャンブル性の高い作戦だが……試合開始のゴングと共に即死させられたな」

「自爆系の技を使用して延命措置をやろうとしたようですが、エフェクトの多段式具合からリジェネ系の回復魔法で倒されていますね」

「仮にだ、PVPのルールとして回復反転という物が採用されて設定可能になったとしよう。クロエ、アズルを除いてどのくらいの相手に勝てそうだ?」

「自傷による回復手段に乏しいので今ほどは戦えないかと」


 だよな。自傷技を好んで使う奴は大概火力重視で一撃特化型とも言える。

 クロエの様に回復があるがゆえに強い奴はこのルール、いつもと同じように動いて死ぬ運命しか見えないな。


「バカみたいな話だが、やっぱりアズルが敗北する場面が見通せない」

「猫さん、そんなにヤバいと思うのなら仲間に引き入れたらどうなんですか?」

「できたら苦労しない。本人が組織のトップをやっているんだ。引き抜きはイコールで吸収合併となる。そうなるとおそらくうちの方が傘下に入ることになり、潰れるぞ」


 そうでなくとも下手に頼ると酷い返しが待ってるからな。

 実例は思い出したくはない。


「結局は友好的な同盟相手として接するしかないんだよ」


  ◆   □   ◆   □   ◆


「決勝戦、お相手は神官戦士系のビルドです。つまるところ、私と似通った構成をされているかと」

「勝てるわけないな」

「はい。純魔と魔法戦士が使う魔法の威力は比較にならないぐらい純魔の方が強いです。私の場合は前衛として戦うスキルなどを最小限に抑えて魔法系にポイントを割り振っているので神官戦士としては高水準な魔法が使えています。ですが、彼の場合は……前衛タンクとしての能力を強めている印象を受けられるので回復魔法は弱いと思われます」

「そうだな」


 全身金属鎧に大盾を両手に持ち、その上で神殿の紋章が防具に刻まれている。

 これは神官戦士としか思えないな。


「相手が悪すぎたな」

「ですね」

「あれは一番弱い回復魔法か?」

「はい、ミニマムヒールかと」

「それで即死か」

「即死ですね」

「合計試合時間は?」

「1分を切っている事でしょう」


 闘技大会回復反転部門、潰れたな。

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