伝説の闘技大会10
「おりゃーぁー」
「キョウカ、そこまで気合い入れて回さなくても発電できてるし、充電は進んでるよ……それはそれとして口直しが直しきれてないよ」
消しパンを食べた事を忘れたいのか、キョウカは発電作業に没頭、カガリはポップアップとコーラで上書きしようとしていまだ成功していない、クロエは涼しい顔してるが……ハンバーグに掛かっていたいたソースを自前のパンに塗りたくって食べる事で上書き済……なのか?
閑話休題
アズルの様子は……ニッコリ笑顔で〇と。よし、準決勝と決勝の相手に期待しよう。
じゃないと後が怖い。
ん?グレイからウィスパーチャットだな。待機時間だから可能ってことか。
『ボス、あの指示通りにしてよかったのか?こういうのって情報は出し渋って隠すものだろ』
『我が千の貌を持つものなら白痴の魔王様からのご要望だぞ?逆らえるわけなかろうて』
『納得した。相棒も説得して次からも蹂躙する気でやらせてもらうわ』
『出来る限り魅せるようなロマンあふれる闘いをしてくれよ?』
『ハハハ……余裕があったらな』
『それでいい。泥臭くなっても最終的に勝利しろ』
『言われるまでもないさ』
通話が切れたか。さて、目を逸らしていたかった呼び出しに応じてさっさと向かいますか。
「クロエ、しばらく離席する。アイリスの監視は頼んだ」
「いってらっしゃいませ」
「ああ、逝ってくる」
ほんと、こっちでの呼び出しは初めてだからどうなることやら。
◆ □ ◆ □ ◆
「貴様、これ以上こちらに近づくな!」
「……我はアズルより呼び出しを受けてやってきた。側仕えの騎士より拒絶されたという理由にて帰還させてもらうぞ」
予定調和。明らかに破落戸で不審者なスタイルで行けばアズルの関係者で埋められている区画に近寄るなと言われる。
具体的には某世紀末のヒャッハーな恰好。編集部に居たから姿の使用許可は貰ってるぞ。
これにて義理は果たしたから帰れるな。
「あっちの観戦席にいた時の姿に戻って私の隣に来なさい」
「はい、わかりました」
「アズル様!?危険ですのでお下がりくだ……さっきまでの男は何処に行った!?」
女神様スタイルの姿に戻っただけでこれよ。
近衛騎士の練度にばらつきがあるな。それも酷いレベルで。
レベルなどの基礎ステータスは高いのだろうが、本人の技量が追いついていないから弱者に見える……護衛としては致命的だな。
「私が言いたいこと分かる?」
「ええ、まあ。これから組織としても成長を続けるでしょうね。だからこそ実力をつけさせたいと」
「ええ。お願いできないかしら?」
「クロエ派遣しますね。実力は前回の闘技大会で保証されているわけですから」
「あら、やっぱり猫君の所のクロエちゃんなのね」
「とりあえずフレンド登録を」
「はーい。クロエちゃんとはそれでどこまで進んだの?」
「我がクロエに手を出すとでも?」
「それじゃ、三馬鹿って呼んでた方は?」
「進捗なし。恋バナしたいが為に引き留めようとしないでくださいよ」
つい先週リアルで会った時にも報告したでしょうが。
リアルではアズルさんよりお一人様いくつまでという個数制限をかいくぐる為に呼び出されるかもしれないニャルさんです
呼び出されるタイミングは決まって暇で何しようか考えている時だからなんとなくで行って何かしらに巻き込まれる事もよくあるかもしれない




