伝説の闘技大会5
「で、あんな風に上空を制すると有効な遠距離攻撃がない相手には一方的に攻撃できるから戦術として制空権なんて言葉が産まれるんだ」
「個人として攻撃手段がないのは仕方ないとしてもパーティーとしてなら持っといた方がいいよね。私もコイルガンを護身用に持ち歩いてるし」
だからあんなレールガンを放っているのか……いや、弾丸何処に格納してたの?
インベントリか?だとして何処からどうやってレールガンの武装まで装填しているんだ?
それに、まだ使ってない武装が3つ……アイリスの性格を考慮して隠し球に追加で2つぐらいありそうだな。
「あの人の盾捌きすごいですね」
「雷に等しい弾丸をああして逸らす技術参考になります」
「クロエ、この二人頭の中戦国時代なのか?」
「いえ、アクション映画が好きなだけですよ」
「ああ……この世界に馴染み始めたのネ」
試合開始から五分、正面からやり合うのは愚策と判断したのかグレイの奴は背中からいかにもなエフェクトを出しつつ空を飛び始めた。
その後、予選では一度も手に取ることの無かった背中の武装を一つ手に取り、射撃にて応戦……向こうからの有効打は無いにしてもジリ貧だな。
おそらく対戦相手はエネルギー切れを狙っている。だが、あの化け物クラスのドラゴンがエネルギー切れになるのを待っていたら時間切れになるな。
我ならコックピットに潜り込んで自爆狙いか?グレイ相手なら暗殺もまだ出来る範疇……だといいな。
「クロエ、私達の中だとクロエが一番遠距離攻撃が得意だと思うから対策よろしく」
「私は投げるしか方法無いからね。魔法対策は二人に投げときます」
「我が主……」
「クロエは武芸百般を体現してるからな。最近の戦闘行為見てると特に。投げナイフやデリンジャーを持っていたらいいんじゃないか?」
「我が主、火薬銃は存在してませんよ?」
「アイリス、ロマンはどうした?」
「火薬は黒色になるけどアレに搭載する以上の生産量はまだ確保できそうにないのよ。だから待て、しかして希望せよってね」
ソレ、アイツの前でも言える……だろうな。
我だって状況に合ってたら言うからな。だが、今の状況で言ったら殴られるだろ。
「あーますた?密告は勘弁して?」
「ああ、供物次第だな」
「私のグラビア写真とか……いらないですよねはい」
「そのうち戦隊ロボみたく合体機構を組み込んだ専用機を用意しろ。我は地獄の番犬枠だ」
「了解。アレを中心に考えるとしてもメンバー増やしたいわね……」
「三人合体でデフォルトは十分だろ」
基本的に奇数で始まり偶数で終わるのが戦隊の様式美みたいなもんだからな。
地獄の番犬:警察のマスターさん
???「百鬼夜行をぶった斬る‼︎」




