伝説の闘技大会1
「……闘技大会のイベントエリアは此処か」
「あの、我が主さえよろしければ私個人に宛がわれた控え室に行きませんか?」
「クロエ、確認。来客はどうした?」
「私の部屋に置かれてた未使用のアーションを利用してこちらにて合流する予定です。せっかくですのでクランへの勧誘許可もいただければと」
「許す。ただし、条件は守って貰うぞ」
「分かっております」
いつの間にか側にクロエが控えてるけど、そっかーーアレ使ったのかぁ……
そも、何故余りがあってクロエの部屋に入れてあるかいうと、一部お金を持っていて時間に余裕を作れる奴らが先に入手しており、ソイツら宛に送ったアーションが送り返された結果としてクロエの友人用として確保してあったのだ。
閑話休題
「なぜお前にはこの控え室が用意されているんだ?」
「前回の闘技大会無差別部門にて優勝しました。その結果だと思われます」
クロエさん?貴女聖職者ですよね?なんで戦闘職に混ざって優勝できてるのサ。
ん?前回の闘技大会無差別部門の対戦表……『賭博』オーナーへの取材データを編集部へ投げたらお礼ですと渡された雑誌の中に書かれてるな。
クロエの対戦相手は
1回戦:アールグレイ
2回戦:キバーラル
3回戦:ミオン
準決勝:メカニカルアイリス
決 勝:エピゾ
全員身内じゃねーか!
恩恵を現在進行形で受けている身で文句は言えないが。
「クロエ、本選での相手が棄権した回数は?」
「決勝のみです」
「よし、この控え室で待ってるから友達連れてこい」
「よろしいのですか?」
「ああ、一応面談をしたいからな」
「かしこまりました。それでは迎えに行って参ります」
エピゾ、まさか手の内を暴かれるのを嫌って棄権したのか?
アイツならやりかねないな……ん?まて、クロエはその領域にたったのか?
我より技量で上回ってない?エピゾの道場の免許皆伝も近いか……後継者になるなら秘伝だけではなく、極伝も継承するのか。
クロエの身の安全を考えるなら喜ばしいことなのだが、何故だろう……とても冷や汗をかいている気がする。
「我が主、ただいま戻りました」
「ああ」
「「ゲーム機ありがとうございます!!」」
「かまわん。クロエと仲良くしてやってくれ。我を優先するあまり自らを省みなくなる時があるからな」
「あの、レベル上げに行きたいのですが」
「クロエからクランに関する話は聞いてるか?」
「はい。ただ、条件が伏せられていて」
「じゃ、このシートに記入をよろしく」
やりたいこと、やれること、好きなもの、嫌いなもの、絶対にNGなこと、趣味嗜好が分からなければ沼へ引き摺り込む為に勧めるシステムの選定にも手間取るからな。
後に伝説と呼ばれる回になる予定の闘技大会編開幕です




