寝る前の挨拶⇔閑話:黒依の休み時間
「それでどうなったのですか?」
「手のひらサイズの竜玉ってアイテムになった。グレイの奴が持ってるから気になるなら呼び出しとけ。多分今夜にはアイリスの元へと渡り加工されるから」
うん、作る黒依の食事は美味しいなぁ……あの後、アールグレイからとある指摘を受けて、焼きが回りすぎてるなと、寝る為にログアウトした。
結局やることやってたら朝になっていて朝食を差し出されたけどな。
それであの後どうなったのか我も知らん。知ってるのはあのドラゴンとアールグレイぐらいだろ。
「学校行ってきます」
「いってら~」
さて、寝るか。
◆ □ ◆ □ ◆
「黒依、少しいいか?」
「先生、見捨てた事でしたら我が主の思し召しです。もうしばらく奴隷生活を楽しんでいてください」
「んな殺生な!」
「ええい!引っ付くなギャンカス!」
また変な噂が立つでしょうが!私の好みは我が主以外あり得ないというのに!
クラスの女子から先生のこと好きなの?とか言われてもコレに対する興味は我が主の友以外にはないのですから。
「那谷さん、やっぱり先生と交際してるの?」
「断じて否。我が主以外に私の身を許す訳が無い。ゲーム内で借金奴隷になったから生徒に助けを求める憐れな教師でしかない」
「え……先生またやらかしたの?」
「うっわぁ……」
「教育委員会に通報する?」
「セクハラで警察にしない?」
「コレひっぺがすの手伝って!」
てか無駄に怪力で制服が破れないのうに剥がすの難しいわ!
なんでこんな無駄技術を身に付けてるのよこの変態は。
最終奥義を切らざるを得ないわね。
「…………出禁にしますよ?」
「へ?」
「これ以上の粘着行為は出禁とします」
「待って」
「我が主は貴方より私の方が大切でしょうからね。私の権限で出禁にしておきます」
「そんな!」
「ギャンカスは不要だと思ってますので」
離れましたね。コレが一番奴には効く札ですからね。
「那谷さん、大丈夫?」
「酒が入っていなければ捌ける範疇に収まるバカですからね……貴女達という友がいなければ引っ越しして転校する事を視野に入れてました」
「そんな清々しい笑顔で言わなくても……気持ちはわからんでもないけど」
「あ、そうだ今日黒依ちゃんの家遊びに行ってもいい?」
家ですか……我が主の邪魔にならないのであれば問題はなさそうですね。
「かまいませんよ」
「ね、泊まり込みって出来る?」
「あ!私も私も!」
「泊まり込みですか……まあ、私の部屋に泊まるならいいですよ。他で寝たら私の部屋か客室にぶちこみますので」
「黒依ちゃんってお淑やかな見た目に反して物騒だよね」
「土下座して赦しを乞うこのバカを筆頭にいい教師が居ますからネ」
「笑みが黒いわ~」
「私もそんな貫禄欲しいぃ~」
覚え方ですか?バカばっかりやらかす大人の後始末に慣れる事ですよ……あと、ヴァイオレンスな環境で育つことも要因ですかね。
クロエのフルネームは那谷黒依です




