情報を求めて図書館へ
『ボス、ちょっといいか?』
ウィスパーチャットだったか……姿を戻し、暗躍街を歩いている時にアールグレイから連絡が入った。
「御用件をどうぞ」
『闘技大会の騎乗戦闘部門に出るつもりなんだが、肝心の機体が完成しそうにない』
「アイリスの状況は?」
『スランプで迷走してる』
「現在地拠点?」
『その機械化工房だな』
「待ってろ」
予定変更して帰るか……ん?帰り道は……″彷徨″使って転位するか。
目標はアールグレイにして、割り込みを開始。判定成功につき移動完了ってね。
……三馬鹿が揃って唸ってるな。
「来たぞ」
「ニャル、この図面みて何か気がつくことない?」
「いきなりだな……動力源が問題なのか?」
「うん、ファンタジー動力を組み込まないと完成まで持っていけそうにないけど、ソレやると今度は動力の出力不足になるからダメ」
こちらにおけるアイリスの発明というか、制作物は基本的に我も欲しいと思える品だからな。詰まっているのなら力になった方がいい。
だってロマンは優先度高いだろ?
「何か使えそうな心当たりとかないの?」
「ない……が、三大探索技能をお前らは忘れたのか?」
「「「あ……」」」
「この街にも図書館はあるらしいからな。行くぞ」
「ファンブルしたら?」
「しないためのマニュアル行動だろ?」
……この冒険世界だけじゃなくて生産世界辺りなら用意できそうだと思うのだが、よその世界に行くほどの余裕は我にはないからな。
◆ □ ◆ □ ◆
図書館への道中は驚く程平和だった。道は何故かキバーラルが知っていたし、ナンパ系も人数的な部分で来なかったのだろう。
アールグレイに突き刺さる野郎の嫉妬を除けば実に平和な道中だった。
「ボスの使う忍法ならサクッと終わるだろ」
「検索エンジンは付いてないよ。脳筋なら脳筋なりに小間使いとして動き回ればいい。我とアイリスが持ってこられた本の内容を精査する。とにかく使えそうな情報が載っていそうな本を片っ端から持ってこい」
「私も読むの?」
「嫌なら持ってくる係でもいいぞ。ただ、今のお前に必要な情報なのかどうか、解らないまま情報を精査して蓄積することになるからな」
「うぐ……」
あと一押しだな。
いくら活字中毒一歩手前の奴でも流石に一人で三人が持ってくる本を読み捌くのは難しいからな。
マジの活字中毒者なら苦でも無いだろうがな。
「とりあえずペア分けとして、我とキバーラル、アイリスとアールグレイを基本として行動しようか」
「了解しましたGM様」
「……ん?……え!?あ、了解マスター!」
「んじゃ、行ってくるわボス」
アールグレイよ、お前の相方は今回メカニカルアイリスだろうが。
書きたい閑話的サブエピソードは幾つか浮かぶのに筆が、追い付きそうに無い……




