遊戯世界復興 12
遊戯世界 星の心臓部
「……もはや工業MODを複数適用したマインなクラフトやってる気分だ」
『ふぁいおーふぁいおー』
「俺に手伝える事はなさそうだな」
「おいセキュリティの専門家、逃げんな。セスにある事ない事吹き込むぞ」
『ふぁいおーふぁいおー』
「私、思うんだ。この気の抜ける煽りともとれる応援文章、いちいち表示し直さなくてもいいんじゃないかって。この星滅ぼしていいよね?ますたぁ」
「だ~め♡」
「そんなー」
「我慢しろ『巌窟王』」
「あ、KPレスのシナリオください。マジで暇なので」
「そら。ちゃんと生還しろよ?それらを通過済みという前提で組んでるシナリオがあるから」
アルアジフが用意していた設計図、ソレを世界に反映させるだけの作業。ただし、配置する材料の角度や原子量が少し狂うだけで大爆発が起きかねない超絶危険作業。
制限を解除できてよかったと思うべきか、しなきゃこんな無茶苦茶なプランをアルアジフも組まなかっただろうと思うべきか……悩むな。
ふと思う。あそこでランニングしてる奴に押しつけてもいいんじゃないかって。根っからの神だし、我以上になれてるだろうし。
「モモ、作業変わってくれるか?」
「作業の代行自体は構いませんけど、このレベルの作業ともなりますと私の本体を呼んだ方が確実なので呼び出しても構わないでしょうか?」
「OK」
星の力を使わずに作業を進める、その条件を付け加えるだけで骨が物理的に何本折れたか分からん。折れたところですぐ治るから気にしとらんけども。
気にしないようにしていたけど、普段呼び出していたNo.100は所謂化身だったということかぁ。
あ、居住区画作っとかないと新規住人の受け入れが出来ないな。
◆ □ ◆ □ ◆
「それで何をやっているんですか?というか、正気ですか?」
「主様、私達二人だけ呼び出されても大してお力になれないですよ?」
「二人の理想の家をコレに設計してみてくれ。出来る出来ないは度外視で構わん。二人の理想である事が重要だからな」
「「かしこまりました」」
「よし」
「って騙されませんよ!?なぜお一人で建築作業をしているのですか?しかも分身までして大丈夫なんですか?」
うん、ツッコミが欲しかったの。
眷属の中で唯一と言っていい常識人枠の二人だからね。元が非常識な事してたとしても今が常識的な範疇に収まればそれは常識人枠です。
うん、我のメンタルが回復しきってないんだわ。
だから異常行動をしていた時に指摘してくれる奴が必要という話だ。
「その調子でツッコミを頼む。今、精神的な疲労が回復しきっていない状態でな。客観的な視点から異常行動は遠慮なく指摘してくれ」
「えっと、ではなぜ私達と会話しながら背後で建築作業を進めているんですか?」
「いつ必要になるか分からないからね……」
「そうですか……シーラ、計画練り直して」
「は~い。主様もっとおやつください」
「はいよー」
今アイナに叩かれて気が付いたけど、これ異常行動だったわ。




