遊戯世界復興 9
「食料はこの農園区画さえあれば栄養失調にはなれど餓死は無くなる」
『楽しいのコレ?』
「お前に分かりやすく言うと個体差次第だな。何が楽しくて何がつまらないかは受け取る存在によって変わる。だから個体差次第」
『なるほど ところで特殊通貨とは?』
「これから作成する区画で発行する予定の物だ。交換レートはお前の匙加減だな」
『え?』
テコ入れによる追加区画二つ目、発電区画。
現在地上で行わせているランニングホイールによる発電作業、これを仕事の一つとして扱うことにより特殊通貨を稼ぐ場を用意する。
特殊通貨といえば聞こえはいいが、その本質は自らが星に献上したリソースの一部を遊ぶ為に下賜していただくというだけのものだ。
だからどの程度分け与えるかの裁量は遊戯世界そのものに託すしかない。テストプレイ時にあまりにレートがおかしかったら具体的な修正案を考えるが、個人的には放置しておきたい領域でもある。レートを記したグラフは後で貰おう。
設置する装置がランニングホイールだけだと魔法使いの類が不利だな。
風力水力火力に電力……いや、魔力で電流を生成させるぐらいなら直接魔力を流し込める装置も用意するべきか。
アルアジフにリソースの変換機能がある事に気が付いたのは偶然だったが、変換時のロスがほとんどなく知りうる限りのリソースへの変換が可能だった。さて、コレをどうやって装置に組み込んでその上で遠隔で星のコアまで届けるかが課題か。
遠隔で届ける方は走っている最中に流し読みしたデータの中に使えそうなソレっぽいのがあったはず。
「龍脈の類があったよな?」
『まあ、配線みたいな感じで星脈というのがありますよ』
「発電区画はその星脈の上に用意して、生成させたリソースを星脈に流し込む事でお前がリソースを得る事はできるか?」
『可能なはずです やったことないのでわかりません』
「アルアジフ、ちょっとテスト行ってこい」
アルアジフが最初所持していたスキル(■■■■■変換)(■■■■■貯蓄)そこから転じて統合されたと思われる(■■■■■運用)。この伏せ字に入るのは恐らく「エネルギー」だな。
そうするとアクシオンゲートにこのスキルを学習させ、(分体作成)によって装置の部品として用意すれば後はアイリスの仕事だな。
しかし、スキルラーニングの方法……しかも武器の、だからな。方法を模索するか。アルアジフが戻ってきたらの話だしな。
『星脈にあの本からのリソースが流れ込んできてます 実験は成功です』
アルアジフによるテストは成功だったようだ。
本格的に変換問題を解決せねばならんな。ただ増幅させるだけならドラゴン狩ればいいだけの話だ。制約の多い増幅炉を使用する気にはなれん。




