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遊戯世界復興 5

 物理世界 ゲート前


「アヴェンジャー、調子はどうだ?」

「共犯者か。待ちわびたぞ」

「これから改造手術を行う。だが、その前にこの契約書に納得し、サインしてくれ」

「いいだろう」


 鍵屋姉妹、その姉の方。とある巌窟王に脳を焼かれ、写し身と言えるレベルで肉体を鍛え上げ、声色を、仕草を、動作を、思考を模倣した存在。

 だが、公式に目をつけられるレベルで完成度が高すぎるのだこいつは。だから意図的にズラさせる。

 そういった内容を記した契約書だ。


「……貴様、本気か?」

「彼とは違う、お前なりの『巌窟王』になれと言っている」

「いいだろう」


 アルアジフ、後は頼んだ。何件仕事を頼んだのか思い出せないが、まあ、多分優先順位をはき違えないだろうし、大丈夫だろ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「マスター、この状況は正気か?」

「ハハハ。分身してお前の三倍は働いてるんですがこちとら」

『リソースがものすごい勢いで貯まってます!』

「……俺も分身するべきか?」

「その速度を出して、制御が効くのか?」

「分からん」

「安全第一で」

「ああ」


 ランニングホイール四台体制にて魔改造用のリソース生成中。

 なんで光よりも速く動ける奴らがランニングホイールで制御可能な最大速度で走っても微々たる量しか生成できないんだよ星のリソースという奴は。


「ただ走るだけだから暇なんだよなコレの問題点」

「……虚無になる刑務作業よりはマシだ」

「今何と比較したのサ『巌窟王』」

「クハハハハハ」

「うん、聞かない方がいい系の奴か」


 ただ歩みを止めないのではなく、最高速度で走り続けろというのが今回の虚無作業。

 常人がやっていたら既に発狂しそうな程時間は経過している。主観だと更にだ。制御可能な光よりも速く動ける状態というのは光よりも速く思考していることになる。感情を殺せば発狂せずに済むが蘇生が面倒くさいからな。我じゃなくて蘇生する側が。


 アイリスからの連絡……追加でランニングホイールが完成したから回収に来いと……数量的には……暇してる眷属にも走らせよう。

 交代で走らせればそのうち大規模改修に必要なリソースが貯まるはずだからな。

 いや、この場にそんなスペースはもうないぞ。アルアジフによる変換能力が術式化され、他の場所から引っ張って来れるようにしないと……摩擦熱でヤバいの光の速さで走るからだよな?普通の速度であればアルアジフに摩擦熱をエネルギー源として取り込ませる必要ないよな?

 となると電線でここまで送電させれば地上で発電させても問題ないな?発電施設を作る程度のリソースは……貯まってる。マジで?

 場所だけ用意して、設置及びに配線はアイリスにやらせ……発電施設内だけにしておこう。今はまだ秘匿すべきことが多い気がするからな。

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