■■世界復興 1
■■世界 ロビー
「クフ……今回の代償は吐血か。比較的マシだな」
世界座標と呼ばれるものが書かれた紙切れ一枚。シークレットの報酬としては渋いのかもしれないが、手掛かりが行き詰っている状態では非常に助かるというもの。
アズルに成功を祈って貰う。コレをすると98%の確率でなんらかの不調が現れる。今回は時間差があっただけだろうな。以前似たような事をしてバイクに撥ねられたこともあるぐらいだからなぁ。
姉様との相性が致命的に悪いという点も悪さしているのだろうな。
閑話休題
『うぇるかむ この先→にある穴に飛び込んでください』
「なるほど?」
薄暗く寂れたカジノのロビー、そこで唯一稼働している電子モニター。ソレが指し示す先はスタッフルームと書かれた扉。
部屋の中に入れば暗視でも見通せぬ深さの穴があった。
さて、失うものはたかが知れてる。アルアジフも一体化済みだ。休人の権能、死に戻りが仕事すればいいが、出来なくても銀の鍵の力を借りて逃げ出すぐらいはできよう。
◆ □ ◆ □ ◆
『うぇるかむ 我が友の眷属よ』
「この世界の意思であっているか?」
『その通りです 滅びかけだけどネ』
「君はこちらに何を望む?」
『この世界、この星の復興を依頼したい』
「確認だけど、死せる最後の大博打の呪縛って状態異常は知ってるか?」
『この星が滅びかけなので助けてというSOSを表す状態異常です』
ビンゴ……というか、たぶん復興自体が我が神の願いだな。
この世界に来てから指輪から歓喜の感情が流れ込んできている。そして目の前のモニターと会話を始めてからその感情が強くなった。
「さて、依頼を受けてもいいが何かしらの対価は貰うぞ?」
『であればこの星の支配権を前払いにプレゼントします』
「……そうk……ナニコレ?」
『ですから、今のこの私が支払える最大限の報酬がソレなんです』
転職、するか。権能を強化した後でだが。方法も見えて来たしな。
新章もとい、猫流が一番死にそうな長編の開幕です




