バトルロイヤル その24
「アイン」
「はい」
「このため込んだ奴らどうするつもりだ?お前の意思を尊重して受け入れたがそろそろ収容しておくにも限度がある。世話係のドールにもな」
「聞けば全員野良パーティーだったそうです。ですのでこの戦いが終わった後も迷宮にて収容できるかと」
バトルロイヤル終了が近くなってきたので念のための確認作業。
アイン、君は仕事疲れのOL検知か?情報収集を続けているが、全員漏れなくブラックな仕事に従事している疲れたOLだったぞ?
野良パーティーだったというのは初耳だが、年下にしか見えない少女たちに囲まれてチヤホヤされて姉と慕われれば仕事の疲れもふっとぶ……のかぁ?癒されはするだろうが。
選考基準が何故分かる案件だからな。
「で、選考基準はなんだったんだ?」
「十割私の性癖です」
「一発殴らせろ」
「ネクロマンサー様のお気の召すままに」
全肯定Botが自我を出すとやはりヤバいな。理不尽な言い分でも受け入れる。こいつ、第二のクロエだ……いや、クロエをマイルドにしたらコレか?アイツはもっと自分の欲望に正直に動いてやがるからな。
「アイン、サーヴァントを集めろ。今後の方針を伝える。その間に収容した奴らとの面談を行うから多少の待機時間が発生することは覚えて置け」
「かしこまりました」
◆ □ ◆ □ ◆
「おねーさん、お話いいかな?」
「ええ、構わないわ。ところで貴女はいったい?他の子と違って上質な服を着ているみたいだけど」
「私?私はハカモリ様直属の眷属だよ」
「そうなの?となると私もそろそろ此処を追い出されるのかな?」
「ううん。私は意思確認に来たの。この世界がなくなった後もこの子達に会いに来たいかどうかの意思を」
「え、ほんとに?ほんとに会いに来れるの?」
「うん、おねーさんが望むなら会わせるってハカモリ様言ってたよ。眷属に外の世界のお話をして喜ばせた褒美だって」
なーんでロリ娘演じなならんのじゃ。ドール達が余計な事を言わずに黙っていてくれるのは本当に助かる。ドールに対しては強制命令権ないからさ。
「お願いします。私にはもうこの娘たちしか癒しがないんです。リアルじゃこんなことして貰えるような時間もお金もないんです。私に捧げられるものがあって、この環境を享受できるなら外に出られなくってもいいのでお願いします」
「ハカモリ様にちゃんと伝えとくね。私って多忙だし、会い方は多分別の幹部ちゃんが伝えにくると思うよ」
「ありがとうございます」
号泣するほどなのか……どんな接待してたんだよ。アルアジフに会話を文章化させて読んでいたが……洗脳に近くないかコレ?




