バトルロイヤル その15
「村……村なのか?」
グランピング施設のあるキャンプ場に見えなくもない……共同の調理場の影響か?それとも高床式平屋のログハウスしか無いの影響か?
いや、一番の原因は広場と思わしき場所にあるテント群だな。コレがキャンプ場感を強めている。
「お疲れ様ですNo.13様」
「モモ、不在中に異常などは?」
「ございません。ですが、修繕作業中に材料の不足による作業の中断が増えてきました」
「そうか……ちなみに、足りていない素材はなんだ?」
「建材として使用可能な木材です。釘などの金属素材は加工時に発生している端材を利用して作成しているので木材さえあれば……という状況です」
「大工はどのくらい来ている?」
「建狙殿曰く、現在生存が確認出来ているメンバーの八割は到着したとのことです」
となると、木材の調達と製材を進めるか。近隣の森よりかは遠方の森から持ってくる方が調達班が楽になるだろう。主に移動距離の関係で。
ん?アイツは……ああ、ちょうどいい。
「すまない〔コスプレ組〕の組長であっているか?」
「おお、会長じゃないですか。自分らに何か御用で?」
「藁詰めで構わんから布団を220組ほど頼みたい」
「ずいぶんと大口の仕事ですね?この村に配備するにしても余りそうなもんですが……予定としてそのくらい拡張するんですかい?」
「その辺りは建狙の奴に丸投げしてる故に知らん。布団は我の眷属用だ。ベッドはシングルを大工に作らせるつもりだ。220超えていれば後はどれだけ増やされようが買い取ろう。大工と打ち合わせて数は揃えておいてくれ」
「かしこまりやした。急いだほうが良さそうですね」
「完成したらコイツに伝えればこっちにも伝わるからソレで頼む。あと、代金は髭に請求しといてくれ」
「うっす。よし、お前ら!会長からの依頼を優先して動くぞ!修繕依頼はうちの商品に限定して数を絞れ、新規の生産依頼は受付中止にしろ」
頼りがいのある御仁だな。さて、"双影"で派遣した分身に伐採を進めているが、何かにつけられているんだよな。
[インベントリ]は共通故に術を解除すれば終わる話ではあるが……ポイントは稼ぐに越したことはないか。釣り餌として伐採を続けよう。
「よぉ、別口の仕事持ってきたゾ」
「会長様、状況把握してますか?」
「追加分だ。受け取るがいい。そして〔コスプレ組〕と協力してベッドを最低220早急に作り上げるのだ」
「……板材と丸太の納品ありがとうございます。ご依頼の件は今お話頂いた案件を優先でよろしいでしょうか?」
「頼んだ。コイツに言えばこっちに伝わるからな」
「ああ、見かけないと思ったら会長様の背後に控える様に移動していたんですねモモさん」
「私はどのように動きましょうか建狙殿」
「先ほどまでに教えた内容でお一人でも家を組めますよね?そっちの案件をお願いします」
コイツらがこの村に愛着が沸いてしまったら持ち帰る方法を検討してやるか。どうせイベントが終わればこの世界には戻ってこれないだろうからな。
クライマックスは25~30かなぁ




