片道切符の航空支援
「っと此処で高度限界か」
『我輩無しでもこの高度まで飛行可能になるとは技術の進歩は末恐ろしいな。短期間と呼べる時間でのことだ。竜も幼子であれば安易に狩り取られる恐れを覚えねばなるまいて』
「……忘れてるかもだが、この後死ぬぞ」
『そうであったな。今回の原因はなんであったか?』
「着陸をしない片道前提の神風機体として組まれてる。このまましばらく高度を維持して適当なボスに特攻するぞ」
『試験を行うのはごもっともだが、資金難になるぞこのペースで行うのは』
「死んでも問題ないと言えるテスターが此処に居る。他所の技術屋も理論上可能でありながら実機試験だと不安定さが目立ち、データ取りが碌にできてないが試験運用をしたいというマシンはいくらでもあるからな」
その青年は死が確定しているのにも関わらず笑う。覚悟は既に定まっていると。
これこそが自分達のライフワークなのだからと、ロマンを追い求める者の性なのだからと。
『着信が入っておるぞ』
「言われなくても。こちらアールグレイ、所属とご用件をどうぞ」
『〔猫紫苑卓〕のキョウカです!滅茶苦茶強いモンスターに相方と二人きりの時に遭遇して支援をお願いしたいんですけど、お時間大丈夫ですか?』
「目標の座標を教えてくれ。そしたら一発ドでかいのをぶちかましてやるから」
『マップのスクショをそのまま送るのでそっちで確認してください。今そんな余裕なくて』
「了解だ。うし、行くぞ」
『……我輩に乗り換えた方がよいのでは?』
「そのサイズから巨大化できたのか?まあ、乗り換える前にコレで特攻かまして援護を行うぞ」
『相分かった。相棒、しくじるでないぞ』
「どっちのセリフなのやら」
標的が定まり、滑空によって墜落する勢いで加速を始める。
ハヤブサを模した加速する滑空飛行に最後のダメ押しと言わんばかりのジェットエンジンによる加速を加える。
音速を超え、思考と移動速度に乖離が生じ始める頃合い、機体に置いていかれるようにして飛び出す影があった。
「ショータイムだ」
『竜の威を恐れぬのならば掛かってくるがよい』
まるで打ち切りのような〆方してますが、まだまだ続きます
ネタ自体はあるのよ
だけど、今繋ぎの部分で悩んでるのよ
ちょっとずつ時間飛ばしてるから




