初の対人戦
「我が主、どちらに向かっているのですか?」
「気の向くままに気紛れに……ちなみに、街の外に行く場合はどの方角目指すの?」
「此処からですと、あの方角が一番近い門がある場所です」
冒険世界、うん。始まりの街だけでも十分広いね。土地勘無さすぎて迷子ですし。地図は無いものとした。
「ねぇねぇ、君たち良かったら俺らと一緒にパーティー組まない?」
「そそ、君たちみたいな可愛い女の子二人だけだと危ないだろうしさ」
特に、ナンパとかですね。クロエ、stayよ。
とりあえず、頭撫でて置けば落ち着きはするね。
「ごめんけど、大切な人とのデート中なの。パーティー募集ならどっか行って」
「良かったらフレンド登録だけでもどうかな?」
「エリア攻略する時とか力貸すぜ?」
「……殺ってもいいですか?」
「こーら。ごめんけど、この娘の抑えが利きそうにないし、二対二のPVPで私達に勝てたらいいよ。考えてあげる」
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≪PvPを『イケメンハヤト』より申し込まれました≫
《ルールは『サドンデス』です》
申請を了承しますか?
〔YES〕/〔NO〕
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PVPの申請が本当に来たね。さてと……逃げ回るか。だって忍法は一応秘匿してるスキル情報に該当する能力だからね。
本当に必要な時に勝てない可能性を残したく無いからさ。
≪PvP──スタート!≫
「いくぜ!」
「遅い」
あ、クロエが凸った。アレで聖職者系の職業なんて誰が信じるのサ。
金的……クリーンヒットしてますねぇ。隣の相方さん引いてるし。
おい待て誰だクロエに暗器術教えたの。
袖口広めだなとは思っていたが、まさかナイフが出てきて心臓に突き刺してトドメを刺すとは……暗殺系狂信者?
あ、相方さんこっち来た。じゃ、マキビシ置いて、逃げ回るか……ってクロエ?まさかそれ魔法で私ごと撃ち抜く……訳無いな。
「光よ!」
「障壁魔法!?」
「チィィィエエエエエエストォォォォォオオオオッッ!!!」
「「はいぃ!?」」
ねぇ、その刀何処から出したの?マジックバック?なんで薩摩に染まってるの?我保護者なのに習い事の内容把握出来てない……どうしよ?
というか、迫力凄くて纏めて斬られるかと思ったよ。
無事に勝てたから良かったけども。
「クロエ、ちょっと後でお話があります」
「我が主の趣味嗜好に合わせた技を覚えれたと思うのですが」
「……最後の猿叫は要らん」
「かしこまりました」
「なぁ、そっちのクロエちゃんだっけ?君って最前線でも通用しそうだよね」
「まあ、普段の活動エリアは攻略最前線ですので。さ、行きましょうか」
「え?」
お姫様抱っこ?しかも我がされる方で?お相手がクロエ?なんでこんな時ばかりイケメンムーヴかましてくれるのサ。
屋根の上って移動していい場所だったんだね。
空は青いなぁ……
次でようやくお外……




