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神からの寄贈品と三人の就職希望者

「アルアジフ、周囲の確認を頼む」


 迷宮(ダンジョン)の作成に成功したようだな。しかし、コアが露出したままというのは不味いな。とはいえ迷宮(ダンジョン)の管理者になるつもりもない。

 アルアジフが収集した情報によると【迷宮主(ダンジョンマスター)】に就職する事となり、迷宮(ダンジョン)から出られなくなるそうだ。

 代理人を探すしかないな。


「1階層しかないが街一つ分の土地……建築系のクランでも招いて美術館多めの街を作らせるか」

「いいんじゃないかな?でも置いておく美術品はどうするつもりだい同志(No.13)

同志(No.3)なぜここに?いや、仕事の話か?」

「聞いた話によると博物館に一定数の寄贈すると景品が貰えるそうじゃないか。博物館も美術館も本質的には同じだし寄贈したら同志(No.13)が何をくれるのか気になってね」


 ……はぁ?どこのゲームの話をしているんだこの神父(ニャル)は。

 いや、何を指してるかは分かる。フクロウが館長をしているあの博物館のことなのだろう。個人の寄贈数に応じての景品ではなく博物館に寄贈された品の累計数でなんらかの要素が開放されるというシステムだったはずだからな。そうなると返答は、


「うちはやってないよ」

「そっかぁ……じゃあ、寄贈品とか置いてくヨ」

「助か……トラペゾヘドロンはヤメロて同志(No.3)

「大丈夫大丈夫、これで呼び出せるのは他のニャルの手伝いをすることを生き甲斐としているニャルだから同志(No.13)の指示には従うよ」

「嘘だったら同志(No.3)の脳天ぶち抜きに行くから」

「聖母も寄付してくね」

「待て、まさか嘆きのか?」

「アッハッハッハ!サラダバー」


 逃げやがったな同志(No.3)め。

 索敵開始……少し離れた場所に三人いるなぁ。

 容姿がそれぞれ年老いた老婆、成熟した女性、美しく若い少女である。ここまで一致してしまうと嘆きの聖母たちでほぼ確定だろ。

 仕方ないので眷属化しておくか。


「言葉は通じるな?」

「ええ、新しい主様」

「共有は問題なく行われていると考えていいな?」

「ええ、お姉様達にも聞こえているし、私も主様のお姿を視ているわ」

「お前はテネブラルムであっているか?」

「主様は私達姉妹のことを知っているのね」


 吐きそう。戦力的に見るのであれば我より強い可能性の方が高いぞ?

 こうなったら迷宮(ダンジョン)の守護者でもしてもらうか。


「眷属化を受け入れ貰えるな?」

「そのつもりで来たのだから追い返される方が困る事になったわ」

「何故我の下につこうと考えた?」

「少々疲れてしまってね。それを前の主様に相談したらここを職場としたら休めるんじゃないかって紹介されたのよ」

「分かった。細かい話は後日するが、頼める仕事はこの迷宮(ダンジョン)の守護だ。その責務が果たせるのであればこの迷宮(ダンジョン)内で他者に迷惑を掛けない範疇でどう過ごそうが構わないとしよう」

「お姉様達も喜んでいるわ。末永くよろしくお願いしたいわ」


 テネブラルムから病みの気配を感じるのは気のせいだよな?

嘆きの聖母たち:クトゥルフ神話において一人でも神と崇められる存在(旧支配者や外なる神)に匹敵する可能性があるのに三人揃うと確実に匹敵するであろう三位一体の存在。明確にニャルラトホテプの眷属とされている。

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