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始まりの街に城を建てるだけの土地を求めるバカは他所へ行け

「ただいま……まあ、こっちの時間だと深夜もいいところだ。寝て……部屋に戻って寝てろアホ」


 冒険世界の自室に戻ってこれたが、サライの奴がいつも待機している場所で椅子に座ったまま寝てやがるの。

 起きられても面倒くさいからな。アルアジフの消音結界を纏い、活動するか。

 それで自室に来た目的は商会のスケジュールを確認する為。会議がある時に議題として美術館の建設を提案しておかないといけないからな。簡易的な指示書だけサライに預けておけば後は髭がうまく調整してくれはするだろうが、採算度外視で用意するつもりだからな。

 絶対に髭だと採算を計算に入れて行動するからセス(怪盗好き)から苦情が出てリテイク確定になると簡単に読めるからな。

 あ、ちょうど会議中か。議題は今後の活動方針について……トップ不在は仕方ないかもしれんが一度も伺われたことないぞ?

 ちょうどいいといえばそうなってしまうか。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「邪魔するで~」

「邪魔するなら帰ってや~」

「はいよー……って議題があるから来たんだよ」

「会長が会議に顔を出すというのは新事業が始まる前兆なんです。人手不足が若干否定できない現状で議題を持ち込みされると忙しい人が忙しくて過労死します。既に私は二度なりました」


 かろーし……ほわい?

 ん~?錬金系の生産部署が怪しいか?

 いや、でも我の事否定してきた女性の所属部署は人事兼事務の部署だな。え?書類仕事そこまで修羅場になっているのか?


「ケットシー達を追加の人員として預けていたよな?そいつらはどうした?」

「その教育と通常業務に追われて過労死しました。私が休人じゃなかったら会長の事をぶん殴ってます」

「……すまなかった。土地だけ確保して欲しい。あとはこちらで全て行おう」

「不動産部門の方、マスターとの打ち合わせをお願いします。他の方は変わらず会議続行でよろしいですね?」

「ラージャさんがそうおっしゃるのなら……」


 おおうふ。髭の人徳凄いな。我に対するブーイングをいともたやすく止めてやがったよ。

 隣の部屋で打ち合わせね。了解。


「えと、それで会長様がお探しの土地というのはどのような利用方法をお考えでしょうか?」

「美術館を建てる、以上」

「なるほど……規模は?」

「城一つ分の敷地が出来れば欲しくはある。現実的にそこまで広い土地は余って無いだろ?それこそ開拓しないと」

「ですね。他の世界に行って購入なされた方がよろしいかと」

「やる事が見えた。会議に戻っていいぞ」

「いえ、できればもう少し世間話でもして会議をサボらせてくださいよ」

「少しだけな」


 やはり、物理世界に行くしかないのか?

 いや、あのシステムに存在している禁術にも等しい呪文を使えば解決自体は可能なのか。

 使えるかどうかわからんが、試してみる価値はありそうだな。

銀魂のサブタイトルって秀逸だと思いませんか?

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