貢献イベント16
「さてと、アルアジフ」
《何なりとお申し付けください》
「なんでムーンビーストがPK連中を狩っているんだい?」
《月棲獣の悪逆さを治安維持向上の為に使用する様に教育しました》
「そうか」
見覚えの無い眷属のページが増えてる……それに格納されていなくても我の眷属なら情報の確認が可能にアップデートされているのか?
ショゴス達に個体差があるのは理解していたが、ここまで趣味趣向が変わっていたか。冒険世界に戻ったら給金を与えて休暇を与えるのもアリかもしれんな。
侵略者に対する戦いはひと段落付いた。残っている巨大な連中もドラゴナイツがじきに片付けるだろう。
眷属はショゴス達を除いて回収しておくか。
「主様、ショゴスと猟犬は此処に揃いました」
「1号、ムンビ共は?」
「主様を主と認めておりませんので指示を聞かない状態かと」
「ア~ル~ア~ジ~フ~?」
《この本の指示であれば聞く様に洗脳していましたが、戦闘行為によってリミッターが解除されてその洗脳も解けたようです》
「お前たち、追加の仕事だ。お前らの統率役のコレがやらかした尻拭いを頼む。拘束すればコレに格納してもらうから」
「「かしこまりました」」
アイナとシーラが手元に残ってくれるのであれば次はムーンビースト、月棲獣の教育業務を依頼する事になるかもな。
でも、人間に相手させるのはリスクが高すぎるからショゴスにやらせるか。
うん、4号に任せよう。アルアジフに書かれている情報が確かなら一番指導者に向いているショゴスだからな。
まあ、そのショゴス達全員の種族名にロードの文字が追加されていたのは納得せざるを得ない事だったな。
「11号、お前は行かないのか?」
「主様の護衛が一人も居ないのは問題なので残ります。それに、一部の奴は主様を狩れば自由を手に入れられると思っているアホ共なので主様の側で待機していれば向こうからやってくるという寸法です」
なるほどな。既に3体この場で確保出来ているし、合理的ではあるのか……我以上にティータイムをしてくつろいで居る事に目を瞑ればの話だが。
まあ、コレが11号の個性と言われたらそれまでだな。
「主様、このゴミに対する教育施設を新しく用意するのであれば、私をそこに配属してもらえませんでしょうか?」
「……採用。圧倒的な暴力装置としてこの要教育な眷属共を押さえつける事を仕事とする。相席になるが、計画書を用意するので机を借りるぞ」
「どうぞ、主様宛てに届いていた貢物を拝借していた品なので」
ショゴス達の中で一番の不良メイドとアルアジフは評価していたが、マジだったのか。いや、いらないが故に倉庫に眠る事になる品を有効活用していたと考えるならアリな行動……コイツはどこまで読んでいたんだ?