リアルな日常
時間は少々飛びます
「お帰り~黒依」
「ただいま戻りました我が主」
「夕食もう少しでできるからな」
「最近夕食だけは御自身でお作りになられていますが、何か心変わりでも?」
「料理ネタ書いてるからな。あと、食レポ付きのレシピ本」
EHO内で休人が作った漫画という文化、じわじわとギルド〔猫紫苑卓〕の名が広まりつつある。
別枠として、グレーラインな仕事をしているとの噂も立っているが、恐らく下部組織の暴走です。完全真っ黒な内容は三馬鹿に取り締まりをやらせてるからな。ナイナイ。
「EHO内の変わったニュースとかある?」
「我が主の耳に入る情報ぐらいしか私の伝手では入手不可ですよ」
「新聞のパズルコーナーをやっているからと言って内容全てに眼を通してる訳じゃないぞ?」
「闘技大会が近々開催予定という話は御存知でしょうか?」
「初耳だ。向こうじゃ卓以外でだとお前とサライと髭にしか会ってない。というか、部屋から一歩も出てない」
身の回りの世話を焼きにくるクロエ、業務上報告などをする必要が有って会いに来るナーヴァ・ラージャ、我を誘拐した事によってサライのあだ名が付いた小間使い。コイツらしか会う必要が無い。
君臨すれど統治せず、いい言葉だと思わないか?
「参加はいかがなされますか?」
「公式サイトに情報出てる?」
「出ている頃合いかと」
「確認するわ」
部門別で戦う事になるのか……となると、情報秘匿の意味を込めて我の参加は遠慮するとして……回復反転部門?コレは恐らく奴が確定優勝だから出場確認をした後に我の裁量で動かせる全額を掛けに入れておくか。
「我が主、苦言を呈する様で申し訳ないのですが、向こうではもう少し外に出て旅をなされたらいかがでしょうか?私がこの家に居着く前は全国各地の旅館を転々とされていたと聞きました。移動の過程で受けていたインスピレーションを今は受け取れて居ないから、現在書く内容にマンネリを感じているのでは?」
「時々すっげぇ毒吐くよな」
「我が主の気分を害した様でしたら私は消えますよ」
かわいらしい笑顔で狂信的な事を言われてもな。というか、此処で捨てたら多分死を選択しかねない危うさがあるし、許容せざるを得ない。
それに、言われてる事そのモノは至極真っ当な意見であって、理不尽で意味不明なクレームなんかではないからな。
「卓の最中を除いて我がお前を見捨てる選択をする訳が無かろうて」
「ありがたき御言葉です」
「……一人で寝るのが怖いから一緒に寝たいと言う話だったが、解消されているよな?」
「いえ、決して我が主と共に寝たいから怖いと言っている訳ではありませんよ?」
何処で買ってきたかは知らんがYES/NO枕を愛用してるJCが此処に居るんだよなぁ……ん?両面YESになっていた気が……悪寒がするので考えるのは止めよう。
手を出したらこっちが社会的に死ぬ。
知ってるぞ、最近料理がソッチ方面に少しずつ偏りをみせはじめていたことを。
使いやすい代表格のニンニクは我が苦手だから使わないところに忠実さを感じる辺り、我もかなり毒されてるな?
某教祖が分からない?原作読んできましょう
神様系の教祖様だから分かりやすいとは思います




