貢献イベント5
「この依頼書!?」
内容が魚介料理求むで納品場所がケットシーの集落だと!?
「我が主、どうなさいました?」
「クロエ、うちの傘下で漁業をやっているクランはあるか?」
「専門ではありませんが〔海の家〕が水辺のレジャー系をやっていたかと。……魚を頂いてまいりますね」
「クロエ、今更だがパーティーメンバーはどうした?」
「アイリスさんと一緒に工房で装備品の改造を行っています」
「待機中に残りの仕事捌くからよろしく」
最近猫吸ってないからな。禁断症状が出ているのか?
いやいや、猫はそのうち使い魔として作成するから思考の外に出しておこう。
◆ □ ◆ □ ◆
「こんにちは、ご依頼の魚介料理をお持ちしました」
「にゃにゃ!本当かにゃ?」
「ええ、集落の規模を確認してみましたが、今夜は宴会を開けるであろう量を持ってきております」
「みんにゃー!今夜は宴会にゃー!」
持ってきたお品書きは「寿司」「刺身」「ムニエル」「アクアパッツァ」「なめろう」「天麩羅」「パエリア」「テルミドール」「たこ焼き」「トムヤムクン」「エビフライ」「イカ焼き」「カルパッチョ」の計13種だ。
正直な話、米の入手は想定外もいいところだったのだ。
この貢献イベント中、小麦粉からチネリ米の生産を続けていたヤベー奴らが居た。
クラン〔ノーライスノーライフ〕、リアルで米を食べると炭水化物の摂取が気になって楽しめない。ならば仮想世界で食べまくればいいじゃないかという思想の元集まった米を中心とした食料品専門の連中だ。
そして現在の環境下において、米という植物は原種を含めて見つかっておらず、代用品としてチネリ米を生産していたそうな。
そんな貴重なチネリ米をどうやって貰ってきたかというと、チネリ米製造専用の機械をアイリスに組ませて提供する事でトレードが成立した。
彼らのおかげでケットシーに寿司を擬きとはいえ提供する事ができる。
実にありがたい話だな。このサーバーに居る〔猫紫苑会〕に属さないクランの一つだが、友好関係を結べそうで何より。
「お酒の提供も致しましょうか?」
「助かるのにゃ~里長に紹介するからついてくるのにゃよ」
「はい、わかりました」
住人を見ているが黒猫三毛猫ロシアンブルー、シャム猫にスフィンクスまで居るのか。あっちはイリオモテヤマネコか?そうなるとどこまで力を入れているんだここの運営は。
あと、知らないというかリアルではありえない毛色のケットシーはEHOオリジナルの固有種といったところか?
ケモナーとしての血がちょっと騒ぐな。
冷静さを失えば命が消し飛ぶと思っておかないとな。